1. HOME
  2. FREE【無料記事】
  3. 【アプレゲールですいません。】レストランのタバコ全面禁煙
FREE【無料記事】

【アプレゲールですいません。】レストランのタバコ全面禁煙

20161215-01

 

 日本でも東京オリンピックに向けて飲食店などでの屋内禁煙を義務化すべく厚生労働省が検討しているというニュースが報じられて、これに対して賛否両論が沸き起こっているようです。

 

 でも僕らはこういう仕事をしていると年に20カ国以上に行くわけですが、今ではアメリカやヨーロッパはもちろん、東南アジアだって中国だって、まともなレストランは全部禁煙です。これだけ多くのお店で喫煙が可能だというのは日本くらいで、それが当たり前だと思っていること自体がかなり“島国”だと思います。

 

 僕が海外のグランプリの現場に行き始めた2005年頃は、まだパドックやメディアセンターでも喫煙可のところがあったくらいでした。覚えているだけでも、エリアごとにざっくり分けただけの分煙だったのがオーストラリア、マレーシア、ホッケンハイム、ハンガリーなど。モナコなんかは完全に喫煙可でしたね。

 

 でもこの頃から世の中では法整備が進んでいて、レストランは全面禁煙だし、イギリスのように屋内全面禁煙と定められているところでは、葉巻好きのペーター・ザウバーおじいちゃんが「ウチは喫煙可!」としていたザウバーのモーターホームだって禁煙でした(さすがに今は常時禁煙ですが)。今では世の中のほぼ全てが禁煙だし、パドックも喫煙エリア以外では吸っちゃダメ。メディアセンターももちろん全て禁煙です。そもそも、煙草を吸う人はかなり減っていると思いますけどね。

 

 だけど日本では今も東京の結構ちゃんとしたレストランでも喫煙可のところは思いのほか多いし、僕はタバコが苦手なので喫煙可のお店には食べに行きたくても行けません。海外の人が日本に来てビックリするし、これじゃ食事ができる場所がほとんどないんです。最近ではかなりグロテスクな臓器の写真をタバコのパッケージに使うことを義務づけている国も少なくないし、タバコ=有害というのは誰でも認識しているし、正直言って食事をするところに煙草の煙が漂っているということ自体に強い嫌悪感を持つ人が大半です。

 

20161215-02

 

 海外では店の軒先にテラス席というのがありますが、あれはヨーロッパではオシャレのためでも外の空気を吸いたいためでもなくて、喫煙者用のものという位置づけです。タバコ吸いたいんだったら、死ぬほど寒くても外で食べて?っていうことです。テラス席は有料(席料が別途掛かる)というお店も少なくありません。

 

 室内で食べるなら、タバコを吸いたい人はその都度外に出て吸って、また戻ってくるという感じ。席に着いている間ずっと吸っていたいわけじゃないだろうし、僕はそれで全然良いと思うんですけどね。

 

 お店からは「お客が減って経営が立ち行かなくなる」という苦情が出ているなんて報じるメディアもありましたが、これこそバカバカしい議論だと思います。「一律禁止」というとものすごく厳しい感じがしますが、どちらかといえば行政主導で「タバコマナーを世界標準に合わせましょう」という感じだと僕は思います。大阪万博の時に、エスカレーターの左側は急ぐ人のために空けましょうとロンドン式のマナーを定着させたのと同じように、せめて飲食店では煙草を吸わないようにしましょうよという感じであるべきだと思います。

 

 ただ、日本のタバコに対する異常なまでの許容範囲の広さを考えると(これでも世界各国と較べると本当にタバコに対して寛容だと感じますよ)、全ての飲食店が自主的にそう変えられるとは思えないし、禁止じゃなければ喫煙者が自主的に吸わないようにするということもなさそうだから、路上禁煙と同じように法律を整備するしかないんでしょうね。

 

(text by 米家 峰起 / photographs by Red Bull)

 

 

 

  日本でも東京オリンピックに向けて飲食店などでの屋内禁煙を義務化すべく厚生労働省が検討しているというニュースが報じられて、これに対して賛否両論が沸き起こっているようです。

 

 でも僕らはこういう仕事をしていると年に20カ国以上に行くわけですが、今ではアメリカやヨーロッパはもちろん、東南アジアだって中国だって、まともなレストランは全部禁煙です。これだけ多くのお店で喫煙が可能だというのは日本くらいで、それが当たり前だと思っていること自体がかなり“島国”だと思います。

 

 僕が海外のグランプリの現場に行き始めた2005年頃は、まだパドックやメディアセンターでも喫煙可のところがあったくらいでした。覚えているだけでも、エリアごとにざっくり分けただけの分煙だったのがオーストラリア、マレーシア、ホッケンハイム、ハンガリーなど。モナコなんかは完全に喫煙可でしたね。

 

 でもこの頃から世の中では法整備が進んでいて、レストランは全面禁煙だし、イギリスのように屋内全面禁煙と定められているところでは、葉巻好きのペーター・ザウバーおじいちゃんが「ウチは喫煙可!」としていたザウバーのモーターホームだって禁煙でした(さすがに今は常時禁煙ですが)。今では世の中のほぼ全てが禁煙だし、パドックも喫煙エリア以外では吸っちゃダメ。メディアセンターももちろん全て禁煙です。そもそも、煙草を吸う人はかなり減っていると思いますけどね。

 

 だけど日本では今も東京の結構ちゃんとしたレストランでも喫煙可のところは思いのほか多いし、僕はタバコが苦手なので喫煙可のお店には食べに行きたくても行けません。海外の人が日本に来てビックリするし、これじゃ食事ができる場所がほとんどないんです。最近ではかなりグロテスクな臓器の写真をタバコのパッケージに使うことを義務づけている国も少なくないし、タバコ=有害というのは誰でも認識しているし、正直言って食事をするところに煙草の煙が漂っているということ自体に強い嫌悪感を持つ人が大半です。

 

 海外では店の軒先にテラス席というのがありますが、あれはヨーロッパではオシャレのためでも外の空気を吸いたいためでもなくて、喫煙者用のものという位置づけです。タバコ吸いたいんだったら、死ぬほど寒くても外で食べて?っていうことです。テラス席は有料(席料が別途掛かる)というお店も少なくありません。

 

 室内で食べるなら、タバコを吸いたい人はその都度外に出て吸って、また戻ってくるという感じ。席に着いている間ずっと吸っていたいわけじゃないだろうし、僕はそれで全然良いと思うんですけどね。

 

 お店からは「お客が減って経営が立ち行かなくなる」という苦情が出ているなんて報じるメディアもありましたが、これこそバカバカしい議論だと思います。「一律禁止」というとものすごく厳しい感じがしますが、どちらかといえば行政主導で「タバコマナーを世界標準に合わせましょう」という感じだと僕は思います。大阪万博の時に、エスカレーターの左側は急ぐ人のために空けましょうとロンドン式のマナーを定着させたのと同じように、せめて飲食店では煙草を吸わないようにしましょうよという感じであるべきだと思います。

 

 ただ、日本のタバコに対する異常なまでの許容範囲の広さを考えると(これでも世界各国と較べると本当にタバコに対して寛容だと感じますよ)、全ての飲食店が自主的にそう変えられるとは思えないし、禁止じゃなければ喫煙者が自主的に吸わないようにするということもなさそうだから、路上禁煙と同じように法律を整備するしかないんでしょうね。

 

(text and photographs by 米家 峰起)

 

 

 

 

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。