【アプレゲールですいません。】ダ・ゾーン
8月23日に発表された『DAZN(ダ・ゾーン)』、面白そうですね。F1だけでなくGP2、GP3、それから野球やサッカーなどいろんなスポーツがネットで見られるということで。
このウェブサイトだけではどのくらいのコンテンツがあるのか詳細は分からないんですが、発表会で紹介された内容はいくつかのニュースサイトでも紹介されているようです。
良いなぁと思ったら、「日本以外では利用できません」。huluとかデジタル配信サービスはだいたいそうで、基本的にF1の開催される場所にいる僕には全く利用できないシステムです(涙)。ちなみにDAZNのサービスが行なわれていない国では以下のように表示されています。日本のVPNを噛ませば見られるのかな?
このDAZN(めっちゃ『ダ・ゾーン』って読みにくいけど(苦笑))、『F1LIFE』ではすでに今年の開幕前にお伝えしていましたが、今年から全世界デジタル配信権を取得したイギリスのパフォームグループによるものです。ある意味では、今年からフジテレビオンデマンドなどでのデジタル配信をできなくした張本人です。
他のスポーツでも生中継配信を行なっているわけですから、それなりのコンテンツ制作能力はあるのだと思いますが、F1の場合はいわゆる“オフチューブ”、国際映像に日本のスタジオで音声を被せるだけです。逆に、スタッフが現地に行って独自映像コンテンツをつくるほどの制作能力と予算はないのでしょう。
果たして現地取材をしないで実況・解説がどれだけ機能するか。恐いなぁと思うのは、取材をしていないと間違ったことを間違っていると認識しないまま発信してしまう可能性があるということと、視聴者はそれが間違っているかどうか分からないまま飲み込んでしまうということです。
実際、ネット上に溢れている情報の中にも「はぁ?」と思うものは少なくありませんし。世の中の多くの人がそれを鵜呑みにしていると思うと、ちょっと恐い気もします。
よくよく考えてみれば、日本人で今年のF1を見たことがある、取材をしたことがある人というのは、実は数えるほどしかいないわけです。ほぼ毎戦来ているレギュラーメンバーは3人しかいないし(苦笑)。
フジテレビは今年は予算の都合で現地取材・現地制作が少なくなってしまいましたが、それでも川井チャンがこだわっているのは現地で取材をして自分の目で見て自分の耳で聞いたことを発信するということですし、定期的に情報をアップデートしていくために1カ月に1回くらいのペースで現地へ赴けるようなスケジュールになっているわけです。F1って刻々と変わっていく世界なので、2〜3カ月前に事実だったことが今はもう事実ではなくなっているということもよくありますから。
それに初開催のバクーだって、行ったことがない人間が語ってもそれは「〜と思う」という感想でしかなくて、「これは〜だ」という事実は語ることはできないわけですからね。
そういう意味では、ダ・ゾーンには期待したいけど、彼らがどこまで本気でコンテンツ作りをやってくるのかな?というのは未知数だなとも思います。本拠地のイギリスではまだサービスが始まっていませんし、来年はまた体制を変えて強化してくるかもしれません。少なくともF1に関しては本格開始は2017年なのかもしれませんね。
(text and photo by 米家 峰起)
この記事へのコメントはありません。