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【アプレゲールですいません。】F1界の暗黙のルール

20160111-01

 

 芸能人の不倫騒動が世間を賑わせているというか世間が勝手に賑わっている今日この頃ですが(笑)、ベッキーさんの記者会見が火に油を注いでしまった感がありますね。

 

 事務所としてはCMスポンサーや広告代理店との契約上、契約違反になるような行為がなかったことをなるべく早く表明しなければならなくて、ああいうかたちでのメディア対応になったんだと思います。ベッキーさん本人も言いたいことも言えない、言いたくないけど言わなきゃいけない、という会見だったと思います。

 

 ただ、取材する側としては、出かけていったのに一方的にコメントされて質問もできなくて終わりじゃ、あまりに不満が残ります。テレビ屋さん的にはそれぞれが自社の映像を撮らないといけないから必要だろうけど、記者としてはハッキリ言って「これならテレビで見てるだけで充分だった」と思う人もいるでしょう(本当はその場にいなきゃ分からない雰囲気とか、本人の表情や態度の機微を感じ取り、記事に反映させることも仕事のうちなんですが)。

 

 それはともかくとして、元フジテレビの長谷川豊アナウンサーが、ブログにこんなことを書いていました。

 

 彼が以前フジテレビ社内で事件に巻き込まれたとき、マスメディア対応で「これだけは貫こう」と決めていたのが、「ウソだけはつかない」、「取材はひとつも断らない」の2点だそうです。取材者の質問が尽きるまで対応し、丁寧に説明すれば、ほとんどの記者は理解してくれると。

 

 取材者だって人間ですから、理性的に考える能力もあれば、良くも悪くも感情的になるところだってあります。被取材者は言いたくないことも言えないこともあるでしょうけど、長谷川さんのおっしゃるように誠意を持って対応されれば取材者も相手の事情は分かるし、できるだけ理解して上げたいという気持ちにもなります。

 

 ウソをつかないというのも大切なことで、F1チームの出すリリースは「本当のことが書かれていない」とよく言われたりもしますが、例えばトラブルが起きたときなどはチームも言いたくないことや言えないこともあってそうなるわけです。だから、必ずしも本当のこと(この場合はトラブルの原因など)を書く必要はない。

 

 でも、ウソは書かない。これは暗黙のルールです。

 

 もしウソを書くことがまかり通るなら、誰もリリースなど信用しなくなります。会見も意味がなくなってしまいます。だから、本当のことを言う必要はないけれど、ウソはつかないというのはF1界の最低限のルールなわけです。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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