【アプレゲールですいません。】「それは違う!?」
日本国内のレースは終わってしまいましたが、先週末はF3世界一決定戦のマカオGP、バーレーンではWECとGP2/GP3、そしてヨーロッパではF1関係者も参加してのレースオブチャンピオンズなど、いろんなレースが開催されていましたね。
これまでずっとレポートしてきたGP2ですが、今回は現地取材は断念してネットでの視聴と現地にいるノブとのやりとりでレポートを書くことに。ネットで見るのなんて初めてだから、最初はどうやって映像を見れば良いのかも右往左往してしまいましたが、GP2オフィシャルのライブタイミングと著作権的にはちょっとアレかもしれないネット上の映像、そしてGP2広報アレクサ女史からの情報を頼りに遠隔取材でなんとか書きました。
こうやれば確かに体力的には断然楽です。レースが始まる直前までに自宅の画面の前にいて、レース後にちょこちょこっと現地とやりとりするだけで仕事が済んでしまうわけですから。現地にいたら、朝早くにホテルを出てサーキットに行き、そしたらパドックやピットを歩き回って色んな取材をすることになるし、レース前にはスターティンググリッドで各ドライバーの様子やスタートタイヤの取材をして、慌ててメディアセンターかチームハウスに駆け込んでレースの成り行きを見て、レースが終わったら地味に遠く離れていたりするGP2のパドックに取材に行って、ドライバーがいなかったりミーティング中だったりしたらしばらく待ってから話を聞いて、他の取材もして、ようやく原稿を書き始められるのは夜になってから……と、自分でも気付かないうちにかなりの体力を消耗していますから。
でもね、やっぱり自分が現地にいないで書くのでは表面的なことしか書けないなと思いました。現場の雰囲気を踏まえて書くことができないし、自分の中で全てを100%クリアにしてから書けていないというわだかまりがどこかにあるわけです。何かが100%クリアでなければそのことは書けないので、触れないようにして書くしかなくなってしまいますからね……。改めて、現場取材と自分で取材することの大切さを考えさせられましたね。自分で取材しないで間違っていることを書いている記事も世の中にはたくさん見受けられますしね。
間違っていると言えば、GP2のレース2でノブがスタート直後の1コーナーでスピンしてリタイアしたのですが、しょうもない結果に終わったということで、いつもレポートを書いているウェブサイトからはレポートは不要と言われたんです。僕は『F1LIFE』でもお伝えしたようにレース後にノブ本人から「追突されてスピンした」と聞いていましたが、僕がいつもそのサイトにレポートを書いていることを知っているノブから「単独スピンじゃなくて追突だってちゃんと書かれてないんですけど!」とお叱りを受けまして。
本人とすれば勝つつもりでレースをしていたし、あそこまでジャンプアップして「行ける!」と思っただけに、ダサいミスでそのチャンスを失ったと思われるのは絶対にイヤだったのでしょう。編集部には僕からそう伝えて修正してもらいましたが、逆に言えば、きっと世の中の記事には、ドライバー本人たちからするとそういう記事もたくさんあるんだろうなと思いました。
それを生業にしている僕らも気をつけないといけないなと改めて思った次第です。
(text by 米家 峰起 / photo by GP2)
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