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【アプレゲールですいません。】コリン・マクレーの車載映像がすごい!

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 F1ではなくラリーですが、こんな動画をYouTubeで見付けました。コリン・マクレーのオンボード映像です。

 

 http://www.rallye-magazin.de/videos/onboard-videos/colin-mcrae-onboard-wales/

 

 いや〜、メチャクチャすごいです! ステアリングがほとんどまっすぐ向いてません! コーナリング中だって基本的にステアリングが反対側向いてるし! 狭くてアップダウンの激しいイギリスの林道をこのスピードでぶっ飛ばして、なおかつクルマを滑らせまくっているわけです。

 

 誰が見ても、常人離れしたドライビングをしていることが一瞬で分かりますよね。

 

 F1の世界でも「あの頃のF1はよかった」なんて言われたりしますが、この動画のコメント欄を見ると「この頃はまだ本物のラリーだった」なんていう声があり、ラリーの世界でも「昔はよかったけど今は……」という雰囲気になっているんですね。

 

 WRC(世界ラリー選手権)では、もう何年も前から実はコーナーではドリフトするよりグリップ走行をした方が速いということが分かっていて(もちろんコーナリングしているからには僅かに横滑りはしているわけですが)、こういうコリン・マクレーのような派手なドライビングが見られにくくなっています。

 

20151018-02

 

 でもドライバーはこのマクレーと同じようにクルマの限界ギリギリでコントロールするものすごいドライビングをしているわけで、それがアクションからは伝わりにくくなっているだけなんですね。

 

 F1の世界でも同じことが言えるわけですが、一方では我々伝える側の人間がドライバーやエンジニアやメカニックたちがいかにすごい仕事をしているのかということを伝える努力を怠っているせいでもあるのかもしれないなと思いました。

 

 昔はなにもかもがシンプルだったから「すごい」ということが分かりやすかったけど、今は色んなことが複雑過ぎて「すごい」ということが伝わりにくくなっているんだと思います。そんな中だからこそ僕らは、彼らのすごさを理解し分かりやすく伝える努力をしなければならない。

 

 ペイドライバーだなんだとバカにする人もいるけど、F1に乗っているドライバーはみんな常人離れしたことをやっているわけです。GP2のマシンをドライブするだけでもすごいことだし、そこで結果を出すというのはもっとすごいことです。そしてF1ともなればもっといろんな要素が絡み合っています。

 

 でも多くのドライバーがそれを当たり前の様にこなしてしまうから、それがすごいことだと気付かなくて素通りしてしまっていたりする。下手したら、それを軽視してバカにしたりする人もいる。何十年もメディアの仕事をやっている人の中には、いまだに昔の考え方や価値観が抜けきらなくて、今のF1の複雑な部分を全く理解していない人もいますからね。自分もそうならないようにしないと。

 

 ラリーの映像から自分の仕事を自戒させられた、そんなお話でした。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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