REGULAR【連載】

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 F1マシンというと、走ると熱が発生する=冷やさなきゃいけない、というものですが、実は温める方も重要です。走行前にタイヤウォーマーでタイヤを温めておくというのは有名ですが、実はそれ以外の場所も温めて準備をしているんです。

 

 こちら、レッドブルは走行セッションが始まる30分ほど前からブレーキドラムにこんな装置を装着しています。床に置かれた黒い箱がヒーターで、ここから熱風が透明のホースを通して送られます。

 

 ブレーキドラムに開いた穴から熱風を送り込みブレーキディスクを温めておくことで、走り始めのウォームアップと作動安定性を高めているわけです。ディスクがきちんと温まらないと制動力が発生しないばかりか、左右の温まりに差があると片利き状態になったり、当たりの取り方が悪いと変なバイブレーションが発生したりといった問題も出て来るからです。

 

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 こちらフォースインディアでは、アップライト全体を覆うウォーマーが使用されています。ブレーキディスクだけでなくハブも含めてアップライト全体を温めておこうというわけです。前後4輪ともこれで温めています。

 

 実は走行中にブレーキディスクの熱を利用してタイヤをホイールリムの内側から温めるというのは複数のチームがやっていることで、ブレーキを温めておくことはタイヤのウォームアップにも密接に関与しているんです。アウトラップにタイヤが温まりにくい時などは、必要以上にブレーキングをしてタイヤを温めるという方法もあるんです。

 

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 ちなみにこのアップライトウォーマーはタイヤウォーマーと同じ、イギリスの『M.A. HORNE』社の製品です。同社の“タイヤヒーター”はいくつかのチームが使用しています。

 

 上の写真を見て、サイドポッドやインダクションポッドに送風機が装着されているのにお気づきになったかたもいらっしゃるのではないかと思いますが、走行後は冷やすためにドライアイス付きの送風機を突っ込むわけですが、整備中や走行前はこうしてヒーターでパワーユニットや熱交換器に温風を送ってコンディションを整えているんです。カメラやコンピュータのバッテリーもそうですが、暑くても寒くてもきちんと作動してくれないので、こうしたコンディション管理が重要になってくるわけです。

 

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 そして、リアエンドに装着されているこんな逆U字型の装置も実はウォーマーです。これはギアボックスを温めるための装置で、やはりヒーターから熱風をギアボックスケーシングの内部に送り込んでいます。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

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