【アプレゲールですいません。】まだ心は混乱しています……。
ロシアGPが終わって日本に帰ってきてしばらく経ちましたが、正直言ってなかなか仕事が手に付きません。できるだけ冷静に目の前のことだけを見ようとしても、どうしてもいろんな考えが頭の中に広がっていってしまって、F1というものと向き合えない。
この『F1LIFE』ではこれまでに何度か書いてきましたが、ジュール・ビアンキはF1ドライバー全員の中でも結構仲良くしてきた(というか仲良くしてきてくれた)ドライバーのひとりでした。彼がGP2で走っていた頃から僕がのGP2パドックに出入りしていたということもあったし、ローマからブラジル行きの飛行機で隣り合わせになって12時間一緒だったこともあったし、今年ヘレス合同テストの翌日にセビリアの空港で会ったというお話もしましたよね。本当に普通の良いヤツで、F1ドライバーだとかフェラーリファミリーだとかいうことを鼻に掛けるようなところは一切なくて。
その彼があんなことになって、正直言って僕は今も心が動転しています。気持ちの整理が付いていません。ロシアGPの間は仕事に忙殺されてゆっくり考える余裕もなかったから良かったけど、今はどうすれば良いのか、自分がどういう気持ちなのかすらよく分かりません。
ソチでFIAの調査報告を聞いて、事故の映像も実際に目にして、あの時あそこで起きた事実を受け止めることはできるけど、今まで当たり前の様にパドックにいた彼が今そこにいないという事実だけはどうしてもすんなりと受け止められませんでした。受け止められていないから、悲しいとか悔しいとかいうのではなく、混乱としか表現しようのない気持ちになるだけでした。
ただ、家に帰ってきて少し時間の余裕もあってF1のニュースサイトを見れば、彼の状況に関するいろんな記事が出ているし、Facebookやツイッターではいろんなことを書いている人がいます。それを見ていると、なんだか自分が取り残されたような気分にもなります。
そんな彼への複雑な気持ちは、ハッシュタグとか、有り体の言葉では表せません。
ソチのガレージに静かに置かれた彼のマシンを見ていたら、わけもなく涙が出て来ました。そして、「なにやってんだよ、早く帰ってこいよ!」という心の叫びが自然と沸き上がってきました。
きっと、F1界の誰もがそんな気持ちで彼の帰りを待っているんだと思います。
……なんだかよく分からないブログになってしまって、すみません。
(text and photo by 米家 峰起)
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