REGULAR【連載】

20140819-01

 

「PLAN B」(ぷらん・びー)

 

 これは日常生活でも外国人がよく使う用語ですから、F1ギョーカイ用語とは言えないかもしれませんが、F1の場合は一般的な使われ方とは少し意味が違います。

 

 世の中的には「プランB」というと“代替案”というか、何かあったときのための“保険のための予備”を用意してあるという、どちらかというとポジティブな意味にも使われます。

 

 F1の世界では、レース戦略を変更するときにこのギョーカイ用語が使われます。というか、どのチームもデータ分析とシミュレーションに基づいて、レース戦略はプランA、プランB、そしてプランCくらいまで用意しているものなのです。

 

 しかし、当然のことながらどのドライバーも最も理想的な戦略をプランAとして選んでレースに臨んでいます。それが上手く行かないときにプランBに切り替えるわけで、「プランB」が登場した時点ですでにレースは自分たちにとって最適なものではなくなっているんですね。

 

 ちなみにどのチームも、例えばプランAは1ストップ、プランBは2ストップといったような分け方をしていますが、プランAの中でもタイヤのタレの多寡に応じて早めにピットインしたり予定よりも引っ張ったりと、微妙な戦略の変更は行ないます。これも全て事前にシミュレーションが行なわれていて、「この数値がこれ以上だったらこうしよう」「何周目までにセーフティカーが入ったらピットインしよう」といったように決められているのです。つまり、プランA、B、Cと大まかに3つに別れていても、実際には想定される様々なシチュエーションに応じて20も30も細かなプランは用意しているというわけです。

 

 もちろんレース中もこうした数値は刻々と変化しますから、戦略担当エンジニアやタイヤエンジニアは常にリアルタイムで計算をして戦略シミュレーションの補正を行なっています。そして、何10種類も用意されているシナリオの中から最適なものを自動的に選べるようにしているんです。

 

 プランAやプランBといった棲み分けは、あくまでドライバーに1ストップか2ストップかといった大きな違いを分かりやすく(なおかつ他チームに簡単には悟られないように)伝えるための用語であって、実際にはレース戦略というのはもっと細かく別れています。というか、「プランB」が出て来た時点でそのドライバーとチームの戦略はすでにかなり厳しいものになっている、と考えた方が良いのです。

 

20140819-02

 

(text by 米家 峰起 / photo by Red Bull)

 

 

 

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Comment

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  • コメント (1)
    • benzo51
    • 2014年 8月 19日

    米屋さん、ケーターハムにロッテラーの記事、見られてますか?事の真意について、聞かせてもらえること有れば、アッブ御願いします。

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