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2019 Rd.11 GERMANY

【UTSU】金曜ロングランデータ分析

2019 Rd.11 GERMANY

 

 『F1LIFE』のインターンシップUTSUこと正木聖がドイツGPで取材したレポートをお届けします。まだまだ至らぬ点も多々ありますが、1人でも多くの方に読んで頂き、叱咤激励の声を頂ければと思います。

 

*  *  *

 

 ドイツGPの金曜日は、気温が40度、路面温度が50度に達する厳しい暑さの中でフリー走行が行なわれたが、各チームはいつも通りロングランのデータを取るべく入念に走行を行なった。日曜日のレースペースを展望しつつ、各チームのロングランを振り返っていこう。

 

 まず、ソフトでのロングランを見てみよう。

 

 

 ソフトのロングランは各チーム10周程度の周回に留まっている。セバスチャン・フェッテルのペースを見ると、1分18秒6から始まり、8周目には1分19秒9まで落ちている状態で、他のドライバーの様子を見ても右肩下がりの傾向が顕著であった。今回の暑いコンディションでソフトタイヤは10周以内で有力な状態を保てなくなることが考えられる。

 

 全体のペースを比較すると、ソフトではメルセデスAMGとフェラーリのペースが接近している。しかしフェラーリのタイムの落ち方を見ると、メルセデスAMGよりも落ち方が急で、寿命に対して少し懸念点があるかもしれない。

 

 中団勢のラップタイムを見ると、ルノーとマクラーレンが接近し、同じくらいの位置にアレクサンダー・アルボンや今回からアップデートを持ち込んだレーシングポイントがいる状態だ。各チームともタイムの落ち込みはあるものの、突出した変化を見せているところもないため、今回も接近戦を予感させるようなデータになっている。

 

 続いてミディアムのペースを見てみよう。

 

 

 グラフに出ているドライバーは7人しかいないが、フェッテルも2周だけロングランの確認を行なった。たった2周ではここで何かを結論づけることができないが、一つ言えることは、無線で「もう学べるものはない」とフェッテルが語っていたということだ。これについてフェッテルから直接コメントをもらえていないが、他のドライバーの様子を見る限り、ミディアムの劣化が小さいために、FP2中でのロングランではタイヤのライフに関して結論づけることは難しく、フィーリングの確認さえできれば十分だ、という考えだったのだろう。それだけ今回のミディアムは暑いコンディションとなっても走り続けることができるタイヤと考えられる。

 

 各車のラップタイムを見てみると、マックス・フェルスタッペンが1分19秒後半を中心に推移していたのに対し、ルイス・ハミルトンは初めの3周が1分18秒台を続け、その後は1分19秒台に落ちるペースだった。このタイムから見ると、ハミルトンは周回ごとに落ち込みが見られるが、フェルスタッペンよりも速い状態は維持しており、レースペースにおいてはメルセデスAMGがレッドブルに対する優位性が維持されていると考えられる。

 

 中団勢については、アルボンが安定したタイムを刻んでいたことについて、本人に聞くと「今日は暑かったのでたくさんタイヤマネジメントをしたよ。走り自体は問題なく行なえていて、理想的なものではないかもしれないけど、安定したラップができた。デグラデーションも問題ないね」と語り、ミディアムでの走行に対して暑いコンディションでも問題ないことを話してくれた。ペースとしてはルノーに遅れている状態ではあるが、涼しいコンディションになった時にどれだけ接近できるのかが一つ注目となるだろう。

 

 最後にハードのペースを見てみよう。

 

 

 このグラフからわかることはまずシャルル・ルクレールとバルテリ・ボッタスのタイムが接近している。特に後半においてはルクレールがボッタスよりも継続して上回っていることが多く、フェラーリがメルセデスAMGよりもハードのペースにおいて若干優位に立っていることが考えられる。しかし、平均的には0.2秒程度の差しかなく、今後のコンディション次第ではこの優位性が変わる可能性はあるだろう。

 

 中団勢のペースを見てみると、ロマン・グロージャンとダニール・クビアトが接近した状態を繰り広げており、ハースがミディアムで遅れを見せた様相とは異なるものが現れている。これを見る限りではハースはハードの方が扱いやすそうな様子ではあるものの、他のコンパウンドになるとある程度の差が確認できている。そのため、ハースはソフトやミディアムでペースを改善し、できるだけハードをレース中に使いたいところだろう。

 

 当初の予報では土日ともに雨になると報じられていたが、マックス・フェルスタッペンは「土曜日は雨だが、日曜日はドライになるだろう」と語っているが、温度は下がることが予想されており、今日のデータがどこまで使えるかも分からない状況だ。また、ウエットレースとなれば、今シーズン一度もまともなコンディションで走行をしたことがないので、不確定要素が多い。今日は暑いコンディションの中で行なわれたが、明日以降天候の変化によってどのような展開を呼ぶのか注目したい。

 

(text by Takashi MASAKI / photo by Pirelli)

 

 

  • コメント ( 11 )

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  1. w0fu1sg6

    グラフのラップタイムの数字が、ウェブレベルでみえるか?
    みえているか?
    エクセルではみえていてもウェブでは、普通の人間はみえない。
    ちゃんと見てる?
    確認してる?
    君は表現者か?
    それとも。。。

    • koujinote

      お前うざいよ。

      何様のつもり

      言葉もしなないやつが、コメント書くなや

      嫌なら見るのもやめろ

      UTSUもそのうち上手くなる
      お前はいらない。

      • MINEOKI YONEYA

        みなさん、F1が好きでもっと詳しく楽しみたいという気持ちは同じでこの場を供給しているわけですから、お互いが気持ち良く楽しめるように言葉遣いに配慮しましょう。よろしくお願いします。

        • koujinote

          すいません。言い過ぎました。
          以後ないようにします。すいません。

          UTSUいろいろ言う人もいるが
          頑張って!

  2. suzuryou

    UTSUさん、とても参考になりました!
    現地は猛暑だと思いますが、がんばってください!!
    応援しています!!

  3. mshimojo

    いつも楽しく拝見しております。
    細かい実測データに基づいた分析は特に面白いですね。
    どこまでのデータが入手可能なのかわかりませんが、
    個人的には、トップスピードやラップタイムに加え、ボトムスピードが速さにどう影響を与えているのか、その関連性がわかるデータやグラフが見てみたいと思います。
    これからも頑張ってくださいね。

    • tacmacher

      ありがとうございます。データはFIAから出ているラップタイムデータを拾ってExcelに起こしています。車速比較やブレーキングの時間を比較してやれたらと思いますが、そういうデータってなかなか表に出てこないんですよね。ライブタイミングから吸い出すのも一つの手段ですが精度に欠けてしまうし、色々考えながらやってみます!

  4. toukeidou

    限られた情報の点と点を線で繋ぐと折れ線グラフになってしまうのですが、実際にチームは曲線のグラフを見ている筈です。すると、分析に違いが出てくるので、チームの見解とズレが生じるのではないかと思われます。

    その辺は一応チームの分析を尊重する感じになるのでしょうか。

    • UTSU

      実際にチームが使っているグラフが直線なのか、曲線なのかは分かりませんが、私自身のイメージとしては直線が合っているかなと思います。
      例えばタイヤのデグラデーションやフューエルエフェクトを考えるときに、1周あたり何秒っていう考え方をすると思います。これは1次関数的な考え方なので、直線が適しているだろうと思います。
      曲線で表現されるのは、対象が反比例していたり、対数や指数で表すものが適しているはずなので、このデータ分析には使用していません。

      でもチームがどのようにデータを見ているかは今後聞くべきものですね。

  5. sasaichi

    酷暑の中、取材や記事書きお疲れ様です。
    3点気になったところと、1点要望をば。

    まず、ラップタイムの軸の意味が先に書いてあると、グラフを見たときの可読性が上がるかなと思います。
    よねやんは解析記事を書くとき、「上に行くほど〜〜だ」みたいなことを、常に書いてるはずです。
    特にタイムは、差分や割合で描かれる場合と、実際のラップタイムで描かれる場合があるので、
    グラフ軸の意味を先に書いてあげる方が親切かな、と思います。

    また、ソフトタイヤのラップタイム解析にある「右肩下がりの傾向が顕著」という表現も、
    グラフを見なければ、あるいは、前の文章からの続きで読まなければ、
    ラップタイムが上がっているのか下がっているのか、判断しにくいですね。
    「ラップタイムの下降が顕著」と書くと、他の情報に頼らずとも、
    そのセンテンスだけで分析結果が伝わるのではないか、と思います。

    これは文章の書き方の話なので、それで構わない、という判断ももちろんありです(実際読めばわかりますし)。
    ただ、可読性を上げるという意味では、無意識にセンテンスをつなげてしまっている箇所を意識して、
    文章の推敲をしてみても良いかと思います。

    最後に、文章の構成ですが、ソフト・ミディアムと、ハードが別の構成になってしまっているのは、
    せっかくこれだけの文章を書いているのに、詰めが甘いかな、と思いました。
    ソフトとミディアムでは、「全体傾向→個別比較」という順序を守っていたのに、
    ハードだけいきなり個別比較になってしまっているので、文章のリズムがガタッと崩れてしまっています。
    おそらく、見ればわかるだろう、という判断があったのかと思いますが、これはもったいないです。
    「グラフをご覧いただければおわかりいただけるが、ラップタイムはほとんど横ばいだ」といった内容だけでも書いておけば、
    他のパラグラフとの構成が一致して、読みやすく、かつ、こなれた文章になったのでは、と思います。

    なお、個人的な要望ですが、ラップタイムごとのデグラによる変化量+燃料減のゲインから、
    各チームごとの詳細タイヤライフが見えてくると、さらに良い記事になるのでは、と思います。
    せっかくの理系とのことなので、そこまでチャレンジしてみてほしいです。

    頑張ってください!!!

    • UTSU

      貴重なアドバイスとご要望いただきありがとうございます。
      指摘いただいた点については、早速これからの分析の中に反映させます。
      特に可読性という観点は自分自身まだ欠けてるところなので、こういったコメントが非常にありがたいです。

      ラップごとのデグやフューエルエフェクトについては公式に出ているデータからは分からないところなので、今後の取材の中でチームの人と仲良くなってこっそり貰えたらと思ってます。
      自分でもこのようなデータ分析はぜひやりたいと思うので、今後の参考にさせていただきます!

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