【UTSU】ドイツGP木曜・クビアト解説とともに歩くホッケンハイムリンク
『F1LIFE』のインターンシップUTSUこと正木聖がドイツGPで取材したレポートをお届けします。まだまだ至らぬ点も多々ありますが、1人でも多くの方に読んで頂き、叱咤激励の声を頂ければと思います。
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ドイツGP木曜日の午前、コースオープンされている時間にホッケンハイムの1周を歩いた。実際に見たコースの様子からの特徴とダニール・クビアトから聞いた注目ポイントを紹介しよう。
「ターン1は高速コーナーでチャレンジングだ。タイヤが冷えていてクルマがどう動くか分からないからドキドキで入って行くんだ」と語ったクビアトの注目ポイントの一つがターン1だ。ターン1は時速270kmを超えるスピードで通過するコーナーだが、難しいと思われる点が一つある。それは出口のコース幅が狭いことだ。なるべくスピードを落とさずに侵入しターン2まで速い状態を維持したいところだが、ステアリングを切るタイミングが合わないとすぐにランオフエリアに出ることになるためだ。
ただし縁石にはソーセージ型のようなコース外での速度を抑止するものはなく、簡単に飛び出すことができるのも事実だ。4輪脱輪したドライバーに対してスチュワードの正しい判断が降るのかどうかも一つの注目ポイントと言えるだろう。
続いてクビアトが注目ポイントに挙げたのはターン6だ。「ターン6はタイトでヘビーブレーキングが必要とされるのでチャレンジングだ」と語っているように、ターン6はホッケンハイムの中で一番低速のコーナーだ。その直前にはDRSゾーンを持つ長い直線がある。去年の場合、時速317kmまで出ているところからブレーキングをするが、例えばコンマ5秒ブレーキングが遅れただけでも44mも進んでしまうので、ブレーキングのタイミングが重要なポイントとなるだろう。各ドライバーがどこまで深くまでブレーキを我慢し、ベストなタイミングを得られるのか注目したい。
ターン6出口の外側にはソーセージ型の縁石が設置されており、さらに外側にはペイントが施されており滑りやすい状態だった。毎年バトルが演じられるこのコーナーにおいて、片方のクルマが飛び出すケースもあり、レースでこれらがどのような影響を与えるのかも見どころの一つとなるはずだ。
さらにコースを歩いて回ってトリッキーなコーナーと感じたのはターン14からターン17の区間だ。ここは実際にコースを歩いてみると起伏に富んでいていることが分かる。ターン13の出口から進行方向を向いて撮るとターン15のエイペックスが見えずターン16も下っているため、ブレーキングやターンインのタイミングも難しそうな印象を受けた。予選時になれば道幅も狭いこともあって、トラフィックに引っかかる恐れもあるので注意が必要となるだろう。各チームこのコーナーに対してどのようなアプローチを仕掛けて、この区間において誰が最速となるのか、今週末のレースで注目したいところだ。
そしてクビアトは最終コーナーも他と同じように面白いと語っていた。特に最終コーナーの出口はオールドスクールなサーキットらしくランオフエリアではなく、グラベルが設置されている。縁石は広めに取ってあるようだが、4輪がコースを外れられるようなスペースも大きくはなく、ラップの仕上げの部分で最後の難関が待ち構えているようだ。
さてクビアトは「どのコーナーも興味深い」と語っていたが、実際に歩いてみるとランオフエリアが狭く、一つのミスが大きく影響を与えかねないものを感じた。ドライバーがどれだけクルマをコントール内に入れておき、レコードライン上をきっちり走れるかどうかも一つの注目ポイントとなりえるはずだ。特に第3セクターはクルマが右に左に振られるシーンが多く見られるため、機敏に動くF1マシンの凄さが見えやすいのではないだろうか。
(text and photo by Takashi MASAKI)
シミュレーターや、映像で見るのとは違い本当にトリッキーなコースですね。
コンマ0.5秒のブレーキングミスが40m以上の違いを生むのにも驚きです。
UTSUさんも慣れてきているようで、成長の様子が目まぐるしいです!
応援してます
なぜクビアトから聞いたのですか?
その理由を知りたいです!
できれば正木さんには、トロロッソに軸足を置いて情報発信して頂けないでしょうか。今はレッドブルが中心になるのは仕方ないですが、トロロッソも気になってます。頑張れトロロッソ・ホンダ!!