【Rd.5 ESP】マクラーレン・ホンダMCL32、アップデート詳細技術解説
マクラーレン・ホンダはスペインGPに数々のアップデートを持ち込み、MCL32を大幅に進化させてきた。
開幕前テストにおいてトップのフェラーリから2.714秒の遅れを取っていたが、スペインGPではその差を1.899秒にまで縮めてきた。つまり、フェラーリやメルセデスAMGの進化よりもさらに1秒近く大きな進化を果たしたというわけだ。ホンダのパワーユニットの進化もあるが、ICEそのものが大きく変わっていないだけにその寄与率はそれほど大きくなく、改善幅の大半は車体の改良によるものだ。
そのMCL32に投入されたアップデートのディテールを解説しておこう。
【フロントウイング】メインプレーン刷新、ディテールも進化
開幕戦に新型メインプレーンを1セットのみ投入した以降は小改良に留まっていたフロントウイングだが、スペインGPではメインプレーンをさらにモディファイしてきた。
2本のスリットによって実質3枚羽根構成となっているメインプレーンだが、スペインGPではそのスリットを婉曲させてダウンフォース増大と空力効率の向上を図ってきた(上写真)。旧型(下写真)と比較すると、中央に近い部分がより丸みを帯びたフォルムに改められているのが分かる。その一方でオレンジ色の3枚フラップには変更はない。
翼端板そのものには変化はないが、翼端板下のアーチ形状が旧型(下)は翼端板から突き出るようなかたちだったのに対し、新型(上)はメインプレーンからなだらかに半円形を描いている。メインプレーン裏側に取り蹴られた整流フィンは旧型が2枚だったのに対し新型では3枚に増えている。
また、翼端板内側に取り付けられた整流フィンはシンプルな1枚翼から3枚翼へと複雑化している。
【ブレーキダクト】新型をトライするも実戦投入せず
開幕前テストから問題を抱えていたブレーキ冷却を改善するため、新型のブレーキダクトも持ち込まれていた。
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