08/22
【ベルギーGP・木曜】アンドレ・ロッテラー「目の前のチャンスを掴むべきだと思った」
小林可夢偉に代わってF1デビューが決まったアンドレ・ロッテラーが、それに先だって心境を語った。その中で、夏休みの間に3週間にわたって交渉とF1参戦に向けた手続きを進めていたことを明かした。
ーーシーズン途中でのこうした形でのF1デビューを決断した理由は?
「F1マシンに乗ることができるチャンスというのは、誰もが手にできるわけじゃない。だからまずはこうしたチャンスをもらえたことを嬉しく思うし、特別なことだ。だから、こんなチャンスに恵まれたのならやるしかない!って思ったんだ。シーズン途中にこうして突然参戦するというのはちょっと勇気の要ることだったけどね。僕が最後にF1マシンをドライブしたのは10年も前のことだし、あの頃と比べればF1は大きく変化したけど、僕自身は多くの経験を積んできたし、ここでF1を経験するのも自分のキャリアにとって良いことだと思ったんだ」
ーーF1での経験はほとんどないまま実戦を迎えますが、その点で不安はなかった?
「僕は今年もスーパーフォーミュラでレースをしていたし、これはF1に次いで最速のシングルシーターのひとつだからね。だからその点ではフォーミュラレースの勘が鈍っているとは思わなかったし、今年のF1のような複雑なマシンはWECのアウディで経験しているから不安はなかった。今回の参戦にあたって協力してくれたケータハムF1チーム、そして自由にさせてくれたアウディやチームトムスにはとても感謝しているよ」
ーー決断までには時間が必要だった? それとも即断だった?
「簡単にイエスと即答できるような状況ではなかった。今週末はもてぎでスーパーフォーミュラの予定だったし、いろんなことをクリアにしなければならなかったからね。でも僕はこれまで何百戦もレースをしてきて、(F1という)こんなチャンスはそうあるものではないということも分かっていた。だから全てをクリアにして、それがクリアになった瞬間にこのチャンスを『やろう』と決めたんだ」
ーーF1で上手く行かなければキャリアが台無しになるという不安は?
「これまでにいくつものレースで勝ち、ル・マンや日本での成功によってある意味では僕はキャリアを確立している。だからF1に参戦し(て上手く行かなかっ)たからといって失うものなんてそんなにないと思っているよ」
ーーこの後の予定は?
「スパの後は日本でレースをするよ」
ーー交渉の開始から正式に決まるまでの流れは?
「3週間くらい前だった。スーパーライセンス取得の要件が揃っているのは分かっていたけど、申請には時間がかかるし、F1というのはいろんなことが決まるのに時間がかかることも分かっていた。今回のことを決断したのが10日ほど前で、そこからいろんなことが動き出して、全てがクリアになって正式に発表できたのが昨日(8月20日)だったというわけさ」
ーーF1デビューに臨むにあたって、事前の準備は?
「決まったのがギリギリだったから、やれることはそんなに多くはなかったけど、月曜日にはファクトリーに行ってシート合わせをして、シミュレーターでクルマやステアリングのことをできるだけ学んできたよ。もちろん、まだクルマ自体はドライブできていないけどね」
ーー初戦の現実的な目標は?
「すごく短い時間で多くのことを学ばなければならないし、今週末は僕にあまり多くを期待してないで欲しい(苦笑)。F1での成否はかなりマシンに左右されるし、このチームの状況についてあまり多くを語ろうとは思わないけど、勝てるクルマじゃないことは確かだ。でも今週はアップデートも投入されるし、出来るだけ早く僕自身の経験も速さも最大限に生かせることを願っているよ。
ケータハムは僕個人の趣味とか楽しみのために乗せてくれるわけじゃなくて、僕の経験と速さをできるだけ早くチームのために生かさなければならない。でもパフォーマンスのことを考えるのは全てをきちんと学び気持ち良く走れるようになってからだろう。まずはこの週末をミスなくこなすことが目標だし、僕にあまり多くを期待しないでほしい。もちろん、チャンスがあれば狙っていくし、レースだからレーシングドライバーとしてはできるだけ速く走りたいと思っているけどね」
(text and photo by 米家 峰起)
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