2022

 

ーーポールポジションからスタートして3位という悔しい結果になりましたが、スタートで3位まで後退してしまいました。

「クラッチのセットアップをフォーメーションラップ後に自分で変えたんですけど、それが若干良くなかったというのと、タイヤがなぜかグリップしなかったんです。(スタート前の)バーンアウトも入念にして、バーンアウトをしている時はタイヤのグリップも良い感じで感じていたんですけど、いざスタートしてみるとホイールスピンが起きてしまったので、そこがなぜだったのかはデータを見てみないと分かりません。ただ周りと比べるとマーカス(・アームストロング)がすごく良かっただけで、他のドライバーが僕よりもすごく良かったかというとそうでもなかったので、本当にちょっとしたことだとは思うんですけど」

 

ーーその後のターン1でのポジション取りも、中央でアプローチせざるを得なくて厳しくなりました。

「ターン1をアウトから行くのはリスクがありますし、なかなか行けませんでしたね。ターン2はなるべくしてああなった(テオ・プルシエール)がアウトからパス)と思うので悪くないと思うんですけど、ターン1はもう少し考えて動けたんじゃないかなと自分の中では思いますね」

 

ーーペース自体も前の2台に比べるとやや苦しかったでしょうか?

「僕がスタートでリードしていればすごく良いレースになったんじゃないかとは思うんですけど、クルマのセットアップも良い方向ではなかったですね。エンツォ(・フィッティパルディ)が2番手でコースに復帰しましたけど、そこからテオ(・プルシエール)を追いかける速さがありましたし、そこを見るとクルマのスピードも足りていなかったなと思います」

 

ーーアウトラップが課題というのは以前からありましたが、ピットストップ後にプルシエールだけでなくフィッティパルディのペースにも着いていくことができませんでした。

「アウトラップは冷えた状態でスライドするとその瞬間にグレイニングを起こしてタイヤを傷めてしまうので、アウトラップを抑えて走るというのは計画通りでした。それでもその後のペースは足りなかったですね。テオはどんどん曲がるクルマを作っていたので差が出たということだと思います。エンツォが前に来たときも、抑え切られたら向こうの方がタイヤが新しい分速いというのと、すでに僕のバランスはアンダーステア気味になっていたので背後に付いてしまうともっとアンダーステアになるので、抜ききれなかったというところです。自分の反省点としては、エンツォが出てきたばかりでタイヤもブレーキも冷えているときに一発バン!と仕掛けるということもできなくなかったんじゃないかと思えてしまうので、もちろんレースを見返してみないと行けたかどうかは分かりませんけど、自分ではもう少しやれたんじゃないかなと思えるところがあるし、そこも改善点じゃないかと思っています。エンツォもすごく良いヤツだけどコース上ではあんまり優しくないんで(苦笑)、無理して当たっては行けないというのもありましたけど、そこをビビっていたのではレースにならないのでしっかり行くべきところは行けるようにしていきたいなと思います」

 

 

ーー土曜のレース1でフォローイングでのタイヤが厳しかったわけですが、それを踏まえてセットアップ調整をしても充分ではなかった?

「昨日のレース1でフォローイングしたところフロントタイヤがもう一瞬で終わってしまっていたので、このままじゃダメだと思ってセットアップをオーバーステア気味に振ったんですけど、それでも充分ではなくて、走り始めが超オーバーステアでも乗りこなして、すぐにフロントがダメになってくるんでそうなったときにバランスが取れるセットアップ方向にもっと振った方が良かったのかなというところだと思います。スティントの序盤はソフトもミディアムもかなり良かったんですけど、そこからどんどんアンダーステアになっていったので、そのアジャストが充分じゃなかったかなと思います。さっきテオと話したところでは、スティント序盤は『こんなのオーバー過ぎて乗れないよ』っていうくらいオーバーステアなところからスタートしても、最初はリアがタレるけど次にフロントが一気に悪くなるから、最終的には4輪ともグリップがなくなってバランスが良くなったと話していたので、そう考えると自分のクルマはまだまだオーバーステア方向に振ることができたんだなというところだと思いました。速さもないし、タイヤも良い方向に行かなかったというのが今日のペースの原因かなと思います」

 

ーーグレイニングはかなり酷かったですか?

「グレイニングで見た目から痛んでるなっていう感じでしたね。それは予測していたので痛めないように前とギャップを空けてかなり抑えて走っていたんですけど、(ピットストップ後に、スタートからミディアムでステイアウトしている)古いミディアム勢と混走になった時にどうしても前と近付いて走らなければならなくて、タイヤを酷使することになってしまったんです」

 

ーーレース終盤に左フロントタイヤのグレイニングとフラットスポットの様子が映し出されていました。

「残り7〜8周のあたりでターン1でブレーキを踏んだ瞬間にロックして、かなり大きなロックでした。完全に左フロントタイヤのグリップがなくなっていくと、ストレートでブレーキングしていても左だけグリップがなくて左がロックしてしまうような状態で。普通はイン側がロックするんですけど、僕もちょっとビックリしました。ただちょっと不思議だったのは、あのフラットスポットを作ってから左フロントのグリップが出て来ちゃったんですよね。ロックさせた周のセクター2はすごく曲がりましたから。それがなぜなのかも分からないので、データを見てみたいですね。もちろんバイブレーションは出ましたし終盤はさらにグリップが落ちたので、良いことではないと思うんですけど」

 

ーーフェリペ・ドゥルゴビッチのピットインをカバーするかたちでピットインしましたが、フィッティパルディのように第1スティントをもう少し引っ張っても良かった?

「今日のレースは戦略面で守りに入ったレースだったかなと思っています。チームとして攻めて、イチかバチかになってしまっても良いと思うんです。リザルトも重要ですけど、まだルーキーですし攻めていかないことには。僕はソフトで良いペースがあったので、もっとピットストップを遅らせてそのスピードでゲインした方がエンツォのようにポジションを上げられたんじゃないかなと思うところがあります。自分としても『良いペースがあるからステイアウトしたい』ともっと強く伝えれば良かったなと思えるところもありますし、チームとして改善できる部分かなと思います。シーズンを通してもギャンブル的なストラテジーはしていませんし、チームとしても守りに入っている部分があるかなと思います。今までまとめきれなくて結果を取りこぼしてきているので、ペースが良いときは守りに入りたくなるのは分かるんですけど、勝負に行く時は行かなきゃいけないかなと思います。僕自身は常にプッシュしていますし、エンジニアも自信を持って攻めた戦略が採れるような、攻めの姿勢でレースができればなと思います」

 

 

ーー深い溜め息が出ていましたが(苦笑)、3位でも悔しいと言えるのはかなり贅沢な環境ですよね。

「今気付けばそうなんですけどね。エンジニアからも『3位だから良いポイントだよ!』と言われましたけど、なんかスッキリしないなっていう気分です。今はしっかりとポイントを積み重ねられたというのは良いことですけど、しっくりとは来ない結果ですし、夏休み明けに速さを優勝に積み重ねられるように小さな改善点をしっかりと改善していかなければいけないなと思っています」

 

ーークルマから降りてすぐにエンジニアとはどんな話をしていたのでしょうか?

「僕は真っ先に『全然良くなかったよ』って言ったんですけど、エンジニアは『3位で表彰台もポイントも獲ったんだから良いんだよ!』って言って。でも『改善点はたくさんあるからまた後でデータを見よう』って話をしていました。エンジニアたちももちろんハッピーではないし僕も悔しいし、改善していく必要があると思います。まだまだ強くなれるっていうのはみんな分かっていますし、そこをしっかり強くして結果を出せるようになれば、本当にもっと優勝していけると思います。この3位が良かったと思わず、もっと強くなって夏休み明けも上位で戦いたいなと思います」

 

ーーシーズン前半戦を振り返ると?

「自分個人としてはすごく良いかたちで順調に進んできているんじゃないかと思います。悪いところからスタートして、一気にバンと組み合わせるんじゃなくてしっかりとひとつひとつ改善してクリアしていって、フランスで結果が出せましたし、今週は予選でバチッと合わせ込めましたし、今はどんどん合わさってきているところで常にトップ集団にいると思います。だから良い方向に進んでいると思いますし、チームとしてもクルマには絶対的な自信があります。でも今日の戦略にしてもそうですし、僕もチームもまだまだ小さな改善点はあるので、そう考えるともっと強くなれると思えますし、ここが限界じゃないと考えれば、ここまでのシーズン前半戦はすごくポジティブに進んでこられたんじゃないかなと思います」

 

ーー後半戦はどのように戦いますか?

「ランキング4位までが僅差ですしもちろんスーパーライセンスは大切なんですけど、今のまま目の前のレースをしっかり戦っていれば(ランキング4位は)自然と付いてくるんじゃないかと思えちゃってるので、残りのレースは勝つことだけ考えて攻めて戦いたいと思います」

 

 

(text by 米家 峰起 / photo by 米家 峰起, Red Bull)

 

 

 

 

 

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