REPORT【報道】

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 3月6日、ウイリアムズはマルティニをタイトルスポンサーに迎えたことを明らかにし、マルティニストライプの正式カラーリングを纏ったFW36の姿を発表した。しかしマシン自体は1月28日のヘレス合同テストから紺色のチームカラーでテスト走行を重ねており、すでにその速さと信頼性では高い評価を得て今期躍進の筆頭候補と目されている。

 

 昨年はマシンの空力的安定性に欠けて低迷したウイリアムズだが、シミュレーションのモデリングに問題があることを突き止め、今季は昨年途中に加入したパット・シモンズの下でチーム体制を大幅に強化してFW36を作り上げてきた。レッドブルやロータス、メルセデスAMGなどから様々なスタッフを引き抜き、空力面でもビークルダイナミクス面でも、そしてシミュレーション技術面でもチーム力を強化してきている。

 

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 シモンズは「今後数年に向けて我々は競争力強化のために体制の強化を進めている。F1界でベストな才能をリクルートするというアグレッシブなアプローチの一環だ」と語り、FW36では「空力的には昨年よりも上位との差を縮めることができると自信を持っている」という。長期的視野に立って体制強化を進めることができたのは、過去数年間にわたって深刻な財政難に苦しんできたのとは対照的に、今季は多くのパートナー(とPDVSAからの違約金)を獲得して財政基盤が強化されていることが大きい。

 

 FW36は2年以上にわたるR&D(研究開発)によってデザインされ、新たにパートナーシップを組むことになったメルセデスAMG HPP(ハイパフォーマンス・パワートレインズ)からは正式契約締結前の5月末にはCADデータを受け取っており、9月中旬には基本設計を終えていたという。11月上旬にはダイナモ上でウイリアムズ製のギアボックスのテストを開始し、その数週間後には完全なパワーユニットと接続した状態でのテストも開始している。そして12月第1週目にはローンチ仕様の空力パッケージのデザインまで完了し、開幕戦仕様のアップグレードパッケージは1月上旬に基本設計を終えて風洞実験に入っている。

 

 23日にCG画像を発表しただけで、ヘレス合同テストでは記念撮影も行なわずに淡々とテストに打ち込んできた。メルセデス製パワーユニットの完成度の高さも追い風になったが、クルマのシンプルな設計方針も功を奏し、大きなトラブルもなく速さも見せている。

 

 暫定空力仕様で発進してメカニカル面のテストを仕上げ、開幕直前まで空力面の開発時間を稼ぐという手法がF1界では一般化しているが、ウイリアムズはそれだけでなく、暫定カラーリングのままでテストを開始してマーケティング面でも開幕直前までスポンサー契約の煮詰めを行なうという手法をここ数年採ってきている。今季は特にそれが功を奏し、マルティニやバンコ・ド・ブラジルなど大型スポンサーを好条件で獲得することに成功している。

 

 テスト結果もすこぶる良かったウイリアムズ内には極めて明るいムードが漂っている。テストから好調で1勝を挙げた2011年の開幕時以上に雰囲気が良く勢いが感じられる。少なくともシーズン序盤はウイリアムズが台風の目になりそうだ。

 

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【TECHNICAL SPECIFICATIONS】 WILLIAMS FW36

Chassis construction

Monocoque construction laminated from carbon epoxy and honeycomb surpassing FIA impact and strength requirements

Front suspension

Double wishbone, push-rod activated springs and anti-roll bar

Rear suspension

Double wishbone, pull-rod activated springs and anti-roll bar

Transmission

Williams eight speed seamless sequential semi-automatic shift plus reverse gear, gear selection electro-hydraulically actuated

Clutch

Carbon multi-plate

Dampers

Williams

Wheels

RAYS forged magnesium

Tyres

Pirelli, Fronts: 245/660-13, Rears: 325/660-13

Brake system

AP 6 piston front and 4 piston rear calipers  with carbon discs and pads

Steering

Williams power assisted rack and pinion

Fuel system

ATL Kevlar-reinforced rubber bladder

Electronic systems

FIA SECU standard electronic control unit

Cooling system

Aluminium  Oil, Water and gearbox radiators

Cockpit

Six point driver safety harness with 75mm shoulder straps & HANS system, removable anatomically formed carbon fibre seat

Engine

Mercedes-Benz PU106A Hybrid , Internal Combustion Engine : Capacity 1.6 litres, Cylinders Six, Bank angle 90, No of valves 24, Max rpm ICE 15,000 rpm, Max fuel flow rate 100 kg/hour (above 10,500 rpm)

Fuel Injection

High-pressure direct injection (max 500 bar, one injector/cylinder), Pressure charging Single-stage compressor and exhaust turbine on a common shaft, Max rpm exhaust turbine 125,000 rpm

ERS

 

Mercedes AMG HPP

Dimensions & weight

Weight: FIA Minimum

Overall length: 5000mm

Overall height: 950mm

Overall width: 1800mm

 

(text by 米家 峰起 / photo by Williams)

 

 

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Comment

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  • コメント (1)
    • mitsunishira
    • 2014年 3月 08日

    カッコイイ!!!!

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