REPORT【報道】

20140913-02

 

 先日、再びマクラーレンが最終戦アブダビGP後の合同テストでホンダ製パワーユニットを搭載したマシンを走らせるとのニュース記事が報じられたが、既報の通りこれは全く根拠のないものだ。

 

 ニュースの素になっているのはスポーティングディレクターであるエリック・ブリエのコメントだが、そもそもこれは「最終戦が終われば、メルセデスAMG以外のパワーユニットを走らせることも“契約上は”可能である」という旨の発言。どこにもホンダ製パワーユニットを搭載してテスト走行を行なうと語ったコメントはない。

 

 ホンダ側は再三に渡ってこの報道を否定している。それどころか、ホンダ側の人間はエリック・ブリエと会話を交わしたこともない。現時点ではホンダ側が接触しているのはマクラーレンの2015年マシン開発担当者のみに制限しており、現場スタッフであるブリエらとは接触を持っていないからだ。テストに関する発言についても、その真意を問いただしてはいないという。

 

 そもそも、11月下旬にホンダ製パワーユニットを完成させることが物理的に不可能であることに加え、メルセデスAMGとホンダではパワーユニットの周辺機器レイアウトも冷却容量も異なるため、現行型MP4-29に搭載するためには大改造が必要となる。それは新車を1台作るのと同じ作業負担になるとマクラーレンの関係者は語る。

 

 11月下旬にテストを行なうためのもうひとつの方法は、2015年型MP4-30をそれまでに完成させることだが、こちらも制作スケジュールを考えれば不可能だろう。そもそも、最近ではホンダ側では1月下旬のヘレス合同テストまでに完成させることも厳しいのではないかとの見方も出て来ているという。国内レースのスーパーフォーミュラやスーパーGTでは不振から脱却しつつあるが、これはターボのコンプレッサーのメーカーを換えたためだという。来季のF1参戦に向けて好材料のように見えるが、しかしF1用パワーユニット開発チームは今季途中で明らかになったメルセデスAMG方式のターボレイアウトも途中から並行してシミュレーション検討を進めており、最終決定が遅れているという。

 

20140913-01

 

 さらにホンダ社内では11月に体制変更が検討されているといい、F1プロジェクトの責任者を務めてきた新井康久氏ら本田技術研究所のみならずホンダ本社側の顔ぶれが変わる可能性もあるという。こうした状況を見れば、11月下旬の実走テストは極めて非現実的な目標だと言えるだろう。

 

 『F1LIFE』では最終戦後のアブダビ合同テストも現地からお届けする予定だが、ここでマクラーレン・ホンダの初走行をキャッチすることは難しそうだ。

 

(text by米家 峰起 / photo by Wri2, Honda)

 

 

 

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