【アプレゲールですいません。】日本のメディアが日本関連に偏向して何が悪い?
またタキさんが吠えてました。トーチュウの有料会員だけが読めるコラムです。
日本の自動車レース・メディアは狂っている!
http://f1express.cnc.ne.jp/column/takiinoue/index.php?cat_id=12&teiko_id=296654
日本メディアに対するディスはいつものことですが、まぁ簡単に言えば、「なんで日本のメディアやジャーナリストさんたちはハミルトンやアロンソ、メルセデスAMGやフェラーリを差し置いてトロロッソ(ホンダ)のことばかり? この向報道・偏重報道がおかしいと思わないお前らはおかしい」というもの。
タキさんの言ってることは、半分は正しくて、半分は間違いだと思います。
確かに日本のメディアはホンダが組んでいるトロロッソを扱う量が多いです。それはそれを望むファンが多いからです。
もちろんハミルトンやフェラーリの記事を読みたい人もいます。でもインターネットの時代は数字を見ればものすごく明確にファンの需要が見えてしまいます。ハミルトンとトロロッソの記事じゃ、アクセス数は何倍も違うんです(もしかするともっとかも)。
トロロッソ偏重のメディアを批判するのは、日本のファンを批判するのとほとんど同じことなんです。
需要に応えることが全てじゃないという意見ももっともですが、多くの人が知りたいと思うことを取材して伝えるのもメディアの役割です。
タキ理論でいえば、そういういびつなファンにしてきたのもバランスを欠いた報道のせいだということらしいのですが、それは違うと思います。どんな国でもナショナリズムはあるし、オランダではフェルスタッペン一色(ベルギーでも)だし、デンマークではF1=マグヌッセン、メキシコではF1=ペレスというくらい彼らが英雄です。もちろんどこの国にもハミルトンファンやフェラーリファンはいるし、それこそ日本は幅広くいろんなドライバーやチームのファンがいます。
それでも全体としては日本関連の記事に対する需要が高い。だからメディアは日本関連の記事を載せたいし、僕らは日本関連の記事のオーダーを受けるから彼らを中心に取材するし書く。
僕らが日本関連に重点を置くのにはもうひとつ理由があります。
ハミルトンやフェラーリの記事は、放っておいてもイギリス人やイタリア人が取材をして書きます。そのツッコミ度合いで言えば、当然僕らが彼らを上回るのは容易いことではないでしょう。個人レベルで取材して書いているところはかなり少なくなり、今や複数人がチームを組んで取材先を分担し広範囲にわたって素材を集めるといったことをやっています。個人でそれに対抗するのはかなり厳しい状況です。
そして僕らが苦労して取材して彼らと同じレベルのものを書いても、彼らが書いた記事はタキさんの大好きな『F1 Gate』がすぐにパクって翻訳して無料で垂れ流してくれます。
でもヨーロッパ人が書いて『F1 Gate』がパクって訳した日本関連の記事は少ないし内容が薄いんですよ。
だってイギリス人やイタリア人には表面的なことは取材できても、ツッコミ度合いでは日本人には敵わないから。田辺さんや山本さん、ホンダ関係者に対するツッコミ度合いに限らず、ガスリーやハートリーに対する理解度や取材力、トロロッソ関係者に対する関係値は、正直言ってたいしたことありません。だって、彼らにとってそれはメインストリームではないから。去年までのマクラーレンでさえ、ヨーロッパ人が書いていた内容がチームの言い分を鵜呑みにした間違ったもので、僕らが独自に突っ込んで取材し書いていたものの方が正しかったことは、今となってみれば明らかです。
つまり、大手(ヨーロッパ人たち)と同じフィールドで戦うより、僕らは自分たちの強みを生かせるフィールドで戦うべきです。それが日本関連の記事です。トロロッソの記事は日本の人が読みたいと思ってもヨーロッパ人はあまり書いていないし、中身も薄いんですから。
中小企業が大手企業と戦う戦術というのはそういうものです。
F1メディアと言いながら些末のトロロッソばかりが踊っているのが気持ち悪いというのも分かるし、だったら海外のサイトを見れば良いだけのことです。
彼らが書くトロロッソの記事は理解度が浅くて間違っているかもしれませんけどね。マクラーレン・ホンダの時のように。
タキさんは現役当時にメディアに軽視されたという経験があるから、今でも日本のメディアを敵視して日本メディアはクソだと言いたいのでしょうが、思い込みや色眼鏡でものごとを見て自分の都合の良いように判断しているようでは真実は見えてこないのではないでしょうか。
といいながら、タキさんのコラムも日本関連のネタばっかりですけどね。それもかなり狭い界隈の。
(text and photo by 米家 峰起)
個人的には日本に限らずメディアというもの自体が良い意味でも悪い意味でも狂ってるもんだと思うので、それぞれの記者、媒体が発信したい情報を好きに発信すれば良いと思います。
それをどう読み解くかは読者の問題なので、読者の事を慮って偏ってはいけない!なんて気遣いは要りません(笑)
そういうリテラシーの高い人ばかりだと良いんですけどね。。。
リテラシーが高くないのに変に分かったつもりで悪だと決めつけてメディア批判とかしちゃう人もいるし。