【アプレゲールですいません。】日本GPが開催危機? スーパーフォーミュラが年間30万人?
久々のブログ更新再開で、本当はオーストラリアGPの現地のことをつらつらと書いていこうかと思っていたのですが、あまりに衝撃的というか残念な感じだったので、まずはこちらから。
F1日本GPの将来は? モビリティランド社長「非常に厳しい」と語る
https://jp.motorsport.com/f1/news/F1-Suzuka-JapaneaseGP-1017244/
鈴鹿サーキットのリバティメディアとの契約更新交渉が順調に行っていないというお話なんですが、「お客さんが増えないと」というのは要するに、リバティから提示された開催権料では赤字になってしまうからもっと動員が増えないと無理、ということです。
確かにそうだと思います。今までだって、国内のレースで利益を積み重ねて、F1でそれを吐き出す、というのが基本的な状況だったのに、これ以上に開催権料が上がったら鈴鹿サーキットとしても厳しくなってしまうでしょう。
ですが、そこは駆け引きです。交渉相手が新しくなって、高い金額を吹っかけてくるのは当たり前です。それを真に受けて「え〜っ、開催したいのに困ったなぁ〜」って言ってたら、足下を見られて当然です。
「じゃ、別にいいや。そこまで無理してまでやらなくても良いし」っていう強気な姿勢を見せて「え、ホンダの地元だし逃げられたら困るな。言い過ぎたかな」って思わせないと。それをやるのがメディアを使った駆け引きってものなのに、メディアに「それではウチは厳しい」って本音を言っちゃったら駆け引きもクソもなくなってしまいます。それどころか、それを聞いたファンの人たちが「なくなったら困る!」「みんなで支えなきゃ!」って言えば言うほど、リバティの思うツボになってしまうんです。
関西のおばちゃんみたいに「ほな要らんわ」『いやいや、ちょっと待ってくださいよぉ〜』っていう展開にしないと。外国人ってそういう駆け引きはゴリゴリやるし、それに対抗するにはサラリーマン的な真面目さではダメで、関西のエグさがないとダメなんです(笑)。
お客さんが少なくなってしまったということについても、僕も特に海外からのインバウンドを増やすためにどうしたらいいかという相談を受けたことがありますが、基本的に今のままじゃ無理です。だって、アジアの人はシーズン序盤は中国GP、シーズン中盤はシンガポールGP、シーズン終盤はアブダビGPがありますから。どう考えたって、費用対効果で日本GPよりもそっちを選ぶでしょう。オーストラリアの人も同じ。
中国の人はそもそもビザの問題があるからそんな簡単には来られないし。
意外とアメリカからのお客さんが一番多いそうですが、彼らにしたってカナダGP、オースティンのUSGP、メキシコGPとお手軽な観戦のチャンスはいくらでもあるし、来年はマイアミGPも加わればなおさら鈴鹿まで行く理由はなくなります。ヨーロッパから日本は「12時間も飛行機に乗る死ぬほど遠い地の果て」というイメージですから、日本GPのためだけにわざわざ来てはくれないでしょう。
日本のお客さんにしても、なかなかホテルが取れない上に高いし、移動費も掛かる、チケット代も高いとあって、費用対効果としては厳しいものがあります。
それは鈴鹿サーキットも分かっていて、だからこそそれだけ高い出費を厭わないのはマニアックな人だろうと考えてそういう人に向けたサービスを充実させてきたわけですが、それは新規のお客さんを増やすというより既存のお客さんをつなぎ止めることにしかならないような気がします。正直、チャーリー・ホワイティングのトークショーを売りにしていた時にはずっこけましたよ、僕は(苦笑)。
逆に、一般向けのサービスが手薄だからこそ余計に普通の人が高いお金を払ってまで観に行くグランプリではなくなってしまっていて、実際にこの時期のチームのゲストはシンガポールGPに集中していて、日本GPはガラッガラということになっています。今の日本GPは、F1に詳しくない友達を誘って一緒に行って丸1日とか2日も楽しんでF1を好きになってもらえるようなイベントではないと思います。それはスーパーフォーミュラもしかり。
スーパーフォーミュラも年間30万人を目指して3カ年計画を立てているそうですが、その対策がライブタイミングアプリや会場周辺のPRイベント、SNSやメディアでの海外アピールだというのを聞いて、それじゃ無理だろうと思ってしまいました。
鈴鹿サーキットの人もスーパーフォーミュラの人も、1回で良いからオーストラリアGPとイギリスGP、シンガポールGP、アブダビGPを観に行ってみてほしいです。マニアじゃない人がたくさん来て盛り上がっているこれらのグランプリを自分の目で見て、それで自分たちに何が足りていないのか、考えてみてほしいです。それが分からなかったら、観客増も年間30万人も無理だと思います。
はっきり言って、今はもうレースで10万人が集められる世の中じゃないです。そんなグランプリ世界中どこを探してもないです(F1ブームのメキシコGPはちょっと別だけど)。コストや環境など様々な制約があるのも分かるけど、F1やスーパーフォーミュラをマニアのものにして自分たちの首を絞めているのは鈴鹿サーキットやJRP自身なんじゃないでしょうか。
(text and photo by 米家 峰起)
鈴鹿に行かずにオーストラリアに行くようになりました。
コストパフォーマンスです。
金曜の夜に東京を出て、予選、決勝を観戦。月曜朝には東京に戻れ、観戦券にホテルや航空券を含めても、総額鈴鹿と変わらないか、安いくらいではないでしょうか。
それでいてコースでは朝から夕刻まで様々なレースが観れますし、コース外では多くのメーカーが市販車、旧車の展示やイベントを行っています。そう、満喫できるんです。今年驚いたのは、レース後ホテルに帰ると、テレビで一日分の録画放送していたんですよね。もう、お腹いっぱいです。
観戦券も金曜、土曜、日曜、それぞれ1日だけのスタンド券もあれば、4日間4箇所別々のスタンドから観れるなど、観戦者の都合で選択肢が豊富なんですよねぇ。なので若者からお年寄りまで、相当幅広いお客様がいらしているのではないでしょうか。
昔々、秋の鈴鹿グランプリがそうでしたよね?
5〜6カテゴリーくらいの予選、決勝が一日中あって、どっぷりレース漬けになれたように思います。
特別なのですが、特別すぎない。
なのかな?と考えます。
テレビ放送もチケット購入方法も、実際のサーキットでの一日も、鈴鹿のF1が何重もの壁の向こうにあって、開かれていないように思えます。
まさにおっしゃるとおり、今の鈴鹿はマニア向け過ぎてストイックになってしまっている感があります。
F1関係者が絶賛するような熱心な応援は素晴らしいですが、その反面、世界中見て回ってもあんなに普通の人が楽しめないグランプリはないような気がします。
それにSFでもGTでもサポートでやれば盛り上がると思うんですけどね……。
P.S.
ちなみに日曜日にグランドスタンド裏ですれ違いませんでしたか? 一瞬お見かけしたような気がしたのですが……?
追伸
あと、コースもファンサイトも観戦者とクルマの距離が近いですよね。
やはりレース観るのんて楽しいですね。
ホンダエンジンの音、去年とかなり違って聞こえました。
軽く乾いたような感じですかねぇ?