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【アプレゲールですいません。】マカオGPが残念なことに

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 F1の最終戦を前に、11月20日にはマカオGP決勝が行なわれました。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタが2回目の優勝です。

 

 正直言って、今のマカオGPには夢がないですね……。昔のようにマカオで勝ってもF1に抜擢されるでもなく、注目を集めるでもない。もちろんその背景にはF3の先にGP3とGP2があって、F3とF1の距離というものが昔とは比べものにならないくらい離れてしまっているという事実があります。はっきり言ってF1関係者もマカオGPなんてそんなに気にしてませんからね。

 

 車格でいっても、F3は550kgのマシンに210馬力ほど。対するGP3は400馬力、GP2は612馬力です。そしてF1は900馬力オーバー。F3からいきなりF1にというのが無茶だというのは誰の目にも明らかです。

 

 マックス・フェルスタッペンとランス・ストロールがユーロF3からF1へ飛び級したとはいえ、それはネームバリューとか資金力とか、もの凄く特殊な条件下での話。彼らもF1にデビューする前にしっかりとF1のテストドライブをして、F1のダウンフォースやパワーに充分に慣れてから実戦に移っています。

 

 ユーロF3はFIA選手権としてFIAの肝煎りでやっていて、スーパーライセンスポイントもかなり傾斜配分されているので、一発逆転を狙って参戦するドライバーも少なくありません。しかしそれ以外のイギリスF3や全日本F3などは参加台数が減って、もう絶滅寸前です。イギリスF3はタトゥースのFIA-F4シャシーに2Lエンジン(230馬力)を載せた車体ですから、もう実質的にF3ではありません。

 

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 こうした状況に加えて、車格に対してマカオの市街地サーキットがもはや合わなくなりつつあること(20年前に較べればF3マシンも随分速くなっていますから)、海側でしか抜けないため特殊な争いとノウハウが重要であることもマカオGPをあまりに特殊なものにしてしまっていて、ドライバーの技量評価という軸からズレてきてしまっています。

 

 さらに、若手の登竜門であったはずのマカオGPに何年も参戦するドライバーが増え、今年勝ったダ・コスタや昨年まで2連勝で今年も2位表彰台のフェリックス・ローゼンクイストなど、極論してしまえばF1にいけなかった人たちの自己満足と思いで作りの場になってしまっています。特殊な技量が必要とされるマカオだけに、“経験豊富”な彼らに阻まれて若手が光る走りを見せられないのも、マカオGPの魅力を半減させているとも言えます。

 

 今年からマカオGPもFIA管轄となったということで、FIAがFacebookで実況解説(英語)付きのライブ映像配信を行なっていて、やるなぁと感心したんですが、その閲覧者数を見たらちょっと残念な感じというか、まぁ結局のところマカオGPの注目度というのもその程度になってしまったんだろうなぁという感じでした。もちろんテレビやマカオGP公式サイトのストリーミングで見ている人の方が圧倒的に多いんでしょうけど、Facebookで全世界配信して2000人程度しか見ていないという事実、そしてコメント欄が地元の人か日本人ばかりだったというのも、現実を見せつけられた気がしてなんとも寂しい気分になってしまいました。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Macau GP)

 

 

 

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