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【無料】【アプレゲールですいません。】クビアトじゃなくてクビャトなんです

20140212-01

 

 『F1LIFE』を愛読してくださっている読者の方々はもうお気づきかと思いますが、当ウェブサイトでは「セバスチャン・フェッテル」とか「ロマン・グロージャン」とか、ちょっと特殊な表記をしています。「ベッテル」ではなく「フェッテル」、「ロメイン」じゃなくて「ロマン」です。

 

 他のウェブサイトや雑誌では前者の表記が標準になっていたりもします。でもウチは後者です。

 

 どうしてかというと、それがその人たちの母国語での正確な読み方だからです。前者はどちらかというと英語読みですよね。

 

 確かにF1の現場でも、圧倒的多数を占めるイギリス人は基本的に英語読みをします。ジュール・ビアンキだって「ジュールズ」って呼ばれてるし、シャルル・ピックだって「チャールズ」って呼ばれてたし。

 

 でも、昔から日本では母国語の読み方を尊重する傾向があったはず。フランソワ・セベールだってセバートとは書かないし、ジル・ビルヌーブだって「ジルズ・ビルニューブ」とは書きません。それにF1界というよりも、世の中全体が元の言語での読み方のほうを重視する傾向にあります。おそらく英語が深く浸透した社会ではないからではないかと思うのですが、新聞社の表記は今でも母国語表記です。新聞ではベッテルだって「フェッテル」もしくは「フェテル」と表記されているはずです。もちろん現場のドイツ人たちはそう発音しています(「ッ」はあるなしの中間くらい)。

 

 それなのに、最近のF1メディアではどうして英語読みが多数派になってきてしまったのか? その理由はよく分かりませんが、2006年にF1デビューした「フェッテル」が「ベッテル」で浸透してしまったのは、各国の母国語への敬意が薄れているように感じられて残念です。

 

 ちょっと前のことですが、ある英国在住の人が「ヴァーゲンがどうした」「ヴァーゲンがこうした」というので、安売りがどうしたんだろうと思っていたら、ジャン・エリック・ベルニュのことだったという笑い話がありました。VERGNEを英語読みしたら「ヴァーゲン」みたいになる、と(笑)。

 

 それは極端な例ではありますが、でもやってることは同じなんですよね。ですからウチはその人の母国語の発音を調べて、それに忠実に表記しているというわけです。

 

 ちなみにトロロッソの新人DANIIL KVYATくん。英国人にとってもすごく発音しづらいらしく、「クビアト」と読む人もいれば「キヤート」という人もいます。でもロシア語での発音をロシア人に聞いたら、「イギリス人が言うのは間違いで、KとVとYは繋げて発音するのが正しい発音だよ。『クビャト』だ」と(写真で彼にインタビューしているテレビレポーターのアレクセイ・ポポフさんが教えてくれました)。

 

 というわけで、F1LIFEでは彼の名はダニール・クビャトと表記します。なんかすでにクビアトっていう表記が一般化しつつあるのがちょっとヤな感じですけどね……。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

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