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【アプレゲールですいません。】ロシアGPを取材した日本人ジャーナリストは、たったの2名だけ

20151016-01

 

 『不振ホンダは責任問題にどう対処する? 新リーダー指名で姿勢を見せるか』http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510150002-spnavi?p=1) こんな記事が上がっていました。天下のYAHOO!のスポーツコーナーに、です。

 

 『F1LIFE』をご覧の皆さんはご存じだと思いますが、トークンを使ったパワーユニットはFP-1のフェルナンド・アロンソ車のみが使用し、USGPに向けて温存。ペナルティをロシアGPで消化しておこうという戦略です。記事はあとでそのように修正されたようですが、当初は誤解を招きかねない表現でした。実際、次の段落との文脈のつながりがおかしいですよね。

 

 「日本GPあたりでは表彰台争いがしたい」という目標を新井さんがシーズン前に語ったかどうかは知りませんが、その後、開幕前テストの段階ですでにそれが不可能であることはホンダも分かってイマしたし、その後の目標値は変更されています。「イギリスGPで表彰台を」などという発言がネット上に流れましたが、あれは全くのデタラメです。

 

 マクラーレンとホンダの関係悪化についても書かれていますが、こんなものはもう過去の話です。日本GP前の時点ですでに双方和解済みで、未来に向かって進んでいます。新井さんの解任要求なんて報道もありましたが、あれはどうやら英国発の悪質なデマだったようです。

 

 すでに来年に向けて両者がパワーユニットとマシンのコンセプトをやや変え、開発を進めていることは先日『F1LIFE』でお伝えした通り。来季に向けて責任論だとか言っている状況ではありません。

 

 どうしてこんなに現状とズレた記事が出てしまうのかというと、それは最新の状況を取材しないで書いているからです。

 

 僕が現場にいてヒシヒシと感じるのは、F1というのは刻々と変わっていく世界なのだということです。1カ月前に正しかったことが、もう事実ではなくなっていることなんてザラです。昨日までの真実が、今日はもうウソになっていることだってあるんです。

 

 1カ月前に取材して自分が真実だと思って書いていることが、今はもう事実ではなくなっていることは充分にあり得ることなのです。だからものを書く人間は、常に現場で取材しなければいけないんだと僕は思っています。

 

 新井さんの“大口”にしても同じことです。状況に応じて“大口”は“小口”になり、目標値は現実的なものになってきています。しかしネットというのはある意味では厄介なもので、1カ月前や半年前に発言した“大口”の記事が今も残っていて、それを見た人がリアルタイムの情報だと思い込んでしまう。そして勝手なイメージが形成されてしまうのです。

 

20151016-02

 

 ちなみに、ロシアGPに取材に来ていた日本人ジャーナリストは、僕と尾張さんのたったの2人だけ(川井チャンはテレビの仕事ですから原稿は書きませんから)。あとは熱田カメラマンと、FIAのメディア委員のお手伝いで鈴木瑞翔くん(亜久里さんの息子さんです)! ソチのメディアセンターにいる日本人は、たったのそれだけですからね。

 

 何が真実で、何が真実でないのか。読者の人たちには“見分ける目”を持って読んで頂きたいのですが、それ以前に取材していようがいまいが関係なく掲載してしまうメディアの側にも問題があるような気がします……。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

  • コメント ( 2 )

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  1. 1990

    トーチュウF1の柴田さんの記事で「フランスのF1は、もはや終わった?」というものがあり、
    http://f1express.cnc.ne.jp/column/monsieur/index.php?cat_id=232&teiko_id=278425
    日本の状況と(現地の状況を全く知らない者としては)全く同じ様相である印象を感じてビックリしている次第です。

    「モータースポーツの本場ヨーロッパ」(そのなかでもあろうことかフランス))で本当にこういった流れなのであれば、長年のF1ファンであれば残念であるし、またバーニーも年貢の納め時でもあるかなとも思います。

    こういった世相であれば、あとは本当に興味があるのであれば、readerが真剣に主体的に情報を選別すべきなのでしょう。駄情報に流されるのであれば、それはそれで「自己責任」??

    • MINEOKI YONEYA

      柴田さんの記事は僕も読みましたし、その通りだと思います。世の中にF1が浸透しているのはイギリスくらいのものじゃないでしょうか。だからこそ、世間から乖離しつつあるという事実がイギリス人には簡単には理解できないのかもしれません。

      駄情報だと分かってはいても、雑誌も有料ウェブサイトも購読しないで無料情報だけでいいやとなってしまう人が多いのは、メディアに関わる人間としては残念に思いますが……。

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