【アプレゲールですいません。】そんなクルマ、買えるか!
ホンダの軽自動車、S660の販売が好調だそうです。月800台の販売計画に対して予約が来年までいっぱいで、予約受付を一時停止している状態なんだとか。
でも、若い人にクルマの楽しさを味わって貰いたいという軽自動車のS660ですが、実際には購入者の大半は50台以上の人なのだそうです。ハッキリ言って、当たり前です。
若者は200万円もするクルマをそう簡単には買えません。都会に住んでいれば、クルマがなくても公共交通機関で充分ですし、逆にクルマがあると税金や保険、車検、駐車場代、ガソリン代で、ものすごい維持費が掛かってしまいます。東京都内だと、駐車場代だけであっという間にクルマの代金以上になってしまいますよね(苦笑)。
僕も実家なら田舎なのでクルマは必要かもしれませんが、今は全く必要ありません。しかも2人しか乗れなくて、荷室がなくて荷物も全く載らないようなクルマは、どう考えても2台目以降に買う“遊びグルマ”です。
クルマ好きの人はよく「クルマは文化だ」とか「日本はクルマの楽しさ、クルマ文化が理解されないからダメなんだ」などと言いますが、自分が乗るクルマがステイタスであった何十年前かとは違い、今は多くの人にとってクルマは移動の手段、つまり道具でしかありません。というか、趣味に200万円を出せる人はかなり限られるでしょう。
トヨタの86も同じです。良いクルマなのでしょうが、若者が買える値段ではありません。本当にクルマの楽しさを伝えたいなら、もっと別の手段が必要なのではないでしょうか。たとえば、30歳以下の人は1日数千円の安価でS660や86が借りられてドライブが楽しめるとか。
まぁ、メーカーは「若者に」と言いつつも実際には余裕のある中高年が買うと思って売り出しているのかもしれませんけどね……。
ちなみにS660って「エスロクロクマル」って読むんですね。つい最近になって知りました(苦笑)。
(text by 米家 峰起 / photo by Honda)
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