REGULAR【連載】

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 F1シートが持ち込み資金の多寡で決まると批判される今日この頃ですが、モータースポーツは道具を使うスポーツだけに、それなりの予算が必要とされるもの。若手ドライバーが下位カテゴリーから参戦してステップアップしていくにはどのくらいの予算が必要とされるものなのでしょうか。今回はその額を紹介していきましょう。

 

 F1の資金持ち込みがとやかく言われていますが、そもそも下位カテゴリーではドライバーが年間走行代金を支払って乗るのが当たり前。レーシングチームも、ドライバーが持ち込む資金でチーム(=会社)を回しているわけです。レーシングチームというのはそういうビジネスであり、GP2やWSR、F3、果てはポルシェカップなどなど、様々なカテゴリーに渡って幅広く展開しているチームもあります。チームがスポンサーを獲得して腕の立つドライバーを起用する場合もありますが、それはかなりのレアケースだと言えるでしょう。

 

GP2で年間200万ユーロ(2億3000万円) 

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 まずF1のすぐ下に位置するGP2。これまでは年間2ミリオン(200万ユーロ=当時のレートで約2億3000万円)と言われていましたが、2014年からはコスト削減を進め、約1.5ミリオン、つまり現在のレートでも2億円前後まで安くなるようです。

 

 決して安くはない金額ですが、F1と同じサーキットで開催されること(サーキット学習、F1関係者へのアピール)、マシンの性能レベルの高さなどがメリットだと言えます。F1チームからも、GP2に参戦していることが交渉の窓口につく条件を満たしているとみなされるという面があります(経験的にも資金力的にも)。

 

GP2に乗れないドライバーはワールドシリーズ・バイ・ルノーへ  

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 GP2に参戦する資金的余裕がない人たちが参戦するのが、ワールドシリーズバイルノーのフォーミュラ・ルノー3.5です。こちらが従来のGP2の半額で1ミリオン、つまり1億4000万円程度です。

 

 今季のチャンピオンになったケビン・マグヌッセンがマクラーレンからデビューすることになり俄然注目を集め始めましたが、彼の場合は元々マクラーレンの支援ありきでFR3.5に参戦していましたから、F1界全体からの捕えられ方としてはちょっと微妙かもしれません。

 

GP3、ユーロF3、フォーミュラ・ルノー2.0と続く新たな下位ピラミッド 

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 GP2の下に位置するGP3が、やはりFR3.5とほぼ同額。レッドブルは金額的にも政治的にもGP2への育成ドライバー送り込みはしませんが、ダニール・クビャトやカルロス・サインツJRにはその代わりにGP3とFR3.5に同時参戦をさせていました。今後はこのスタイルが増えるかもしれません。

 

 完全にGP3に差を付けられた感のあるF3ですが、その中でもFIAの冠付きで隆盛しているユーロF3の場合で65万ユーロ(約9200万円)。円安の影響もありますが、若手ドライバーにとっては個人で集められる金額ではなくなってきています。

 

 フォーミュラ・ルノー2.0の北ヨーロッパ選手権でも38万ユーロ(約)5400万円、イギリス選手権はその半額の16万ポンド(約2700万円)。

 

その他の“ピラミッド外”のカテゴリー 

 佐藤公哉と黒田吉隆の参戦で話題になったAUTO GPの場合で約5500万円。エンジンパワーなど車格はF3やGP3より上ですが、空力性能やタイヤ性能、参戦しているドライバーの顔ぶれを考えると、価格相応と言えるかもしれません。いずれにしても、F1界から見てF1に直結とは見なしてもらえません。

 

 国内レースでは、スーパーフォーミュラに参戦するのに年間2000〜3000万円ほどかかると言われています(新車導入で2014年にどうなるかはまだ未確認ですが)。チームにもよりますが、スーパーGTのギャラがほぼ同額か少し多いくらいで、ほとんどのドライバーはそのギャラをそのままスーパーフォーミュラにつぎ込んでいるといいます。もちろん、メーカー支援の元で両カテゴリーに参戦しているドライバーもいますが……。

 

 インドで開催されているMRFチャレンジは、F3クラスのマシンにフォーミュラ・ルノー2.0と同等のエンジンを搭載したマシンで、1イベント4セットの新品タイヤが使える破格の条件で、年間4ラウンド約800万円。珠海を中心に開催されているアジアン・フォーミュラ・ルノーで1ラウンド約250万円(年間4〜5ラウンド)。まずはこうした格安のレースで経験を積むことも有益でしょう。

 

 2014年からはFIA手動によってF4規格のレースが世界各地で本格的に始まっていくので、これがどのようなかたちで成長していくのかも興味深いところです。F1LIFEでもそのあたりは追ってレポートしていきたいと思っています。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Red Bull, GP2, GP3, Renault Sport)

 

 

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