【F1リアルスコープ】手間暇かかっているメルセデスAMGのタイヤ
こちら、イギリスGPの決勝でメルセデスAMGの2台が使用したタイヤです。第1スティントのオプションと、第2スティントのプライム。最終スティントのインターミディエイトはマシンに装着されたままパルクフェルメ保管されているので、ここにはありません。
予選ではマクラーレンがバトン用のタイヤを1本だけ間違えてアロンソに付けてしまい注意を受ける場面もありましたが、メルセデスAMGの場合は各ドライバーのタイヤであることを識別するマーキングは手前のニコ・ロズベルグ用が赤色、奥のルイス・ハミルトン用が水色で描かれていて一目で分かるようになっています(まぁ、マクラーレンのミスはピットインの順番が前後してしまったせいで、クルーがどちらのマシンか認識できていなければ同様のミスが起きる可能性はあるわけですが)。
メルセデスAMGのタイヤ管理で特徴的なのは、ピレリによるタイヤのセットナンバー(44XXや06XX)は無視してプライム7、オプション6の計13セットのドライタイヤに1〜13の独自の通し番号を付けて管理していること。
そして左右のタイヤにそれぞれ「R11」とか「L5」といったようにマーキングが施されています。フロントかリアかは見れば分かるということですね。矢印はタイヤの回転方向です。
サイドウォールにはこんな落書き……ではなく、これはハミルトンのタイヤに描かれたマーク。彼のヘルメットにも描かれていますが、ハミルトンのロゴマークなんです。去年までは「LH」の文字をあしらったロゴでしたが、今年からこのロゴになっています。メルセデスAMGは代々、ドライバーの識別を文字ではなくロゴで描いているんです。そのためのテンプレート(型抜き)も用意しています。
ロズベルグの方もこの通り、ニコロゴです。タイヤ担当メカニックがひとつひとつテンプレートを使ってカラーペンで描いていて手間はかかっているはずですが、ドライバーとしてはこういうふうに丁寧に扱って貰えると嬉しいでしょうね。ちなみに、一番最初の写真の奥でタイヤを洗っているのがメルセデスAMGのタイヤ担当メカで、去年までマクラーレンにいて今井さんの下で働いていた人です。
(text and photo by 米家 峰起)
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