REGULAR【連載】

20150420-01

 

 バーレーンGPが終わって日本に戻るところです。上海とバーレーンの連戦の間に、このブログも随分間が空いてしまいました、すみません(苦笑)。

 

 バーレーンGPの週末はGP2も開幕し、日本ではスーパーフォーミュラも開幕し、見どころがたくさんありすぎて大変でしたね。F1はまぁ良くも悪くも相変わらずのレースでしたが、GP2は松下信治くんが初戦から活躍して沸かせてくれました。結果以上に内容に感心しました。GP2であれだけ上位で落ち着いたレースができる日本人ドライバーって、久しぶりです。

 

 一方で、スーパーフォーミュラ開幕戦では大注目のコバヤシ選手は厳しいレースだったようです。事前にいろいろと話は聞きましたが(その模様はSportivaさんの記事をご覧ください)、実際にはレース週末の取材はしていないのであくまで伝聞と推測でしかありませんが、事前に予想していたシナリオのうち最悪の方になってしまったようです。

 

 どうしても2000年の高木虎之介選手の10戦8勝のイメージが強いし、ファンの人たちもそれに重ねてみてしまうと思うんですが、当時と今とでは状況が全然違うことは理解しなければならないと思います。ワンメイクとはいえエンジンメーカーが2つあって開発競争をしていたり、世界的に見れば特殊なタイヤを使っていたり、純粋にドライバーの速さだけを競うレースでもありません。

 

 可夢偉らしさがなかった、というこういう記事http://as-web.jp/news/info.php?c_id=8&no=64793)もありましたが、確かにコバヤシ選手がレースをするからにはアグレッシブな走りを見せてほしいという思いはあるでしょう。でも、この記事を書いた人は可夢偉らしさというものを勘違いしています。コバヤシ選手はいつでもどこでもむやみやたらにアグレッシブに走るわけじゃありません。むしろ、基本的にはチームのために確実に結果を残すことを最優先に走るプロフェッショナルなドライバーです。その上で、必要な時にはアグレッシブにズバッとバトルやオーバーテイクができる、というドライバーなのです。常に派手な走りをすることを信条としているわけではありません。

 

 この記事の最後には、力強いレースや圧巻のパフォーマンスを望むと結ばれていますが、それはコバヤシ選手がスーパーフォーミュラの人気が上がるために必要だと言う「レースのストーリー性」とは違います。ただスタートからフィニッシュまでダントツの速さで走って勝つだけのレースに、ストーリーなんてありません。実際、開幕戦のレースそのものはそういう内容だったし、それが面白かったという人はほとんどいないのでは?(ダイジェスト映像を見ましたが、それだけでも見どころ=ストーリー性が少ないレースだったんだなぁと感じたし、フルで見たいとは思いませんでした)

 

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 レースにストーリー性をというのは、そうやって最初から最後までず〜っと淡々と走る単調なレース展開ではなく、ピットストップの緊張感や駆け引き、順位の入れ替わりがあるようなストーリー性ではないのでしょうか? また、どうしてコバヤシ選手が下位に沈んでいるのか? どんな思いでそこを走っていたのか? そこからどうやって這い上がっていくのか? そういうストーリー性ではないのでしょうか?

 

 コバヤシ選手がアグレッシブな走りを見せて独走して勝つことにスーパーフォーミュラの人気向上を頼っても、それはスーパーフォーミュラの力ではなく小林可夢偉個人の力でしかありません。そして、そんな人気は小林可夢偉がいなくなれば一気に冷めてしまうでしょう。

 

 小林可夢偉が活躍するからスーパーフォーミュラを見てもらうのではなく、小林可夢偉が参戦するのをきっかけにスーパーフォーミュラを見てもらい、スーパーフォーミュラの魅力を知ってもらうチャンスを広げるべきです。スーパーフォーミュラそのものの魅力ももっと高める努力をすべきです。せっかくこんな機会に恵まれているんですから。そして、それはコバヤシ選手が活躍するかしないかの話ではないし、記事の結びに書かれているような「可夢偉の担う役割」ではないでしょう。

 

 もしスーパーフォーミュラ全体がそんな感覚でいるのだとしたら、非常に残念ですし、人気の向上は難しいと思います。インターネットでGP2のレースでも見ていた方がよっぽどエキサイティングで面白いんですから。スーパーフォーミュラを盛り上げるためにあえて“客寄せパンダ”になることを選んだコバヤシ選手の心意気を、しっかりと理解して受け止めてあげてほしいです。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Mobilityland)

 

 

 

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