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【アプレゲールですいません。】スーパーフォーミュラは、どうすれば面白くなるのか?

【アプレゲールですいません。】スーパーフォーミュラは、どうすれば面白くなるのか?

20150127-01

 

 コバヤシ選手も言っていましたが、スーパーフォーミュラを盛り上げるためにはどうしたら良いのか? 主催者であるJRPもそうしたい意向はあるようですが、これといった具体的なアイディアはないようです。

 

 ものすごく速くてカッコ良くて……と喧伝されていた2014年のスーパーフォーミュラですが、イベントとしては依然としてF1はおろかスーパーGTにも遠く及ばないというのが実状だったようです。観客動員は増えたというものの、チーム関係者に聞くと、その大半はレースクイーン目当てのカメラ小僧で(悪いことだとは思いませんが)、あとはチームやスポンサーの招待客、そして以前から来ていた本当のレース好きな人が少しだけ……というのが実際のところだったようで。

 

 というわけで、どうやったら盛り上がるのか、僕なりに考えてみました。今回は観客動員を増やしてサーキットを盛り上げるためのアイディアです(選手権自体を盛り上げるためのアイディアは、また別の機会にでも)。

 

 まず、やるべきことは2つあると思います。ひとつは「観戦のハードルを下げること」と、「お祭りにする」ということです。

 

 「観戦のハードルを下げる」というのは、サーキットに見に来てもらいやすくするということ。そもそもレースというのは、サーキットなんていう場所まで行くだけでも充分にハードルが高いわけです。街中にある野球場に行くのとはわけが違います。

 

 それに加えて入場料が何千円かかかります、家族で行けば1万円? 高速料金や駐車場代、もしくは電車代・バス代なんて考えたら、そりゃあ野球でも見に行くか、アウトレットや遊園地に行った方が楽しいでしょ?

 

 だったら、「入場無料」にしちゃえば良いんです。とにかく来てください、無料なので見てみてください、って。

 

 そしたらサーキットの収入がなくなるじゃないか、と思われるでしょうが、そこは「ここで見るなら無料」「グランドスタンドで見たければ●●円」「パドックは●●円」「ピットウォークは」「グリッドは」「パドッククラブみたいなスイートは」……と、通常の観客席とは違うプレミアムなチケットも用意して段階を踏んで有料化する。「もっと見たい」と思ってくれた人にお金を出してもらうというわけです。

 

 さらに、人が来れば場内でお買い物もします。ゴハンだって食べますし、飲み物だって買います。そういうところで楽しくお金を使ってもらい、それをサーキットの収益にすれば良いんじゃないかな?と思います。

 

 ただ、「サーキットに来る」というハードルを越えて実際に来てもらっても、現場が楽しくなければそれまでです。ですから、2つめの「お祭りにする」という要素も重要になってきます。はっきり言って、今のスーパーフォーミュラには決定的にそれが欠けていると思います。というか、「サーキットに行くと楽しそう」というイメージが全く漂っていませんし、実際に楽しいかどうか以前にその時点でNGなわけです。

 

 レースは確かに重要です。でもレースが見たいならテレビで見た方が分かりやすいし、サーキットでクルマが目の前を通過するだけの光景を見てもそんなに面白くはありません。いろんなクルマがいるF1やGTならまだしも、スーパーフォーミュラはなんやかんや言ったってワンメイクレースなんですから。そして、レースそのものもバトルなんてほとんどなく、パレード走行のようで単調でつまらない展開ばかりですしね(総集編を見てそう思いました)。

 

 そもそもサーキットに行くというのはレースを見に行くというよりも、その場の雰囲気を楽しみに行くわけです。いろんなブースが出ていたり、ステージイベントが行なわれていたり、グッズ屋さんがあったり、時にはドライバーや関係者を見つけたり。F1やGTがあれだけ盛り上がるのは、レース以外の面も含めて「お祭り」だからです。そういう意味ではレースクイーンだって必要だと僕は思います。

 

 お祭りのメインは御神輿です。だけど、みんながお祭りに出かけるのは御神輿を見るためだけじゃなくて、むしろ浴衣を着て歩くあの雰囲気とか、金魚すくいとか綿菓子の出店とか、そういうのがあるから行くわけですよね。今のスーパーフォーミュラは、御神輿ばっかり「立派です!」と言って担ぎ手たちだけが一生懸命で、それ以外が閑散としているお祭りのようなものなんじゃないでしょうか。

 

 簡単に言えば、家族で行って1日飽きずに楽しめる場所になっているかどうか、ということです。遊園地はもちろん、アウトレットだってなんだって、家族連れで行ける場所というのはそういうものです。F1だって、実は海外のグランプリでは観客エリアに子供向けの遊興施設が用意されていますし、F1とかレースに関係ないアスレチックとかそういうのでも全然構わないわけです。イギリスなんかはさすがにそういう「子供からお年寄りまで、家族で1日楽しめる」というコンセプトが明確で、上手だなと思います。

 

 JRPとしては今までF1の時しかサーキットに来なかったような新たな層の開拓を狙っているそうですが、開拓して来てもらっても、今のままじゃみんなガッカリして帰ってリピーターにはならないんじゃないでしょうか。仮に有名選手が参戦してそれを宣伝材料に使っても、話題になるのは最初だけで、人気を継続できるかどうかはもっと別のところにかかっていると思います。それをしっかりと肝に銘じて“改革”をしないと、何も根本的には変わらないと思います。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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