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【アプレゲールですいません。】「タダで見る」ということ

20150106-01

 

 漫画家の浦沢直樹さんが、『HUFFINGTON POST』のインタビュー記事(http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/29/naoki-urasawa_n_6390106.html)でこんなことを話していました。

 

 とても含蓄に富んだインタビューだと思いますが、いくつかある要旨のうちのひとつを挙げると、漫画にしろ音楽にしろ映画にしろ、「タダで見る」ことが容認されるべきではないと。それでは作者読者の間に「あるべき関係性」が結べない、というのが浦沢さんの主張です。

 

 簡単に言えば、お金を払わなくても手に入るものに対しては敬意も憧れも抱けないということで、それについては僕も大賛成です。

 

 ウェブ上のコンテンツは広告収入をベースに無料でどんどん提供されていますが、はっきり言ってその質はどんどん低下していっていると感じています。広告収入を上げるためにページビュー数を稼ごうと、見出しだけでクリックさせるようなもの、「続きは次へ」と何度もページを移動させるようなものもあります。それでも内容が濃ければ良いですが、結局のところ人間が苦痛なくウェブ上(画面上)で読めるのはせいぜい800〜1200字程度と言われていて、その文字数では書き手としては大したことは書けません。そもそも、ちゃんとした書き手が書いていない、取材もしないで書いているようなコンテンツが多すぎます。

 

 だから『F1LIFE』は有料化しました。ちゃんとしたコンテンツをお届けしたいし、敬意を持ってくださる読者の方だけにお届けしたいからです。

 

 僕はTwitterもやっていますが、はっきり言って全然モチベーションは保てません。

 

 だって、僕ら現場のジャーナリストやフォトグラファーは、自分で膨大な経費を掛けて取材に行き、そこで拾ったネタで収入を得ているわけですから、大切なネタを無料で提供するわけないじゃないですか?

 

 

 僕のアカウントにこんなこと書いてきた人がいましたが、レベルが低すぎて悲しくなりますよね。Twitterに持ちネタを全部出すわけがないし、『F1LIFE』のPRになればと思ってウケが良い日本関連のネタを中心にツイートしているだけなのに、Twitterが僕らの取材の全てだとでも思っているんでしょうか? 実際、こういう人に限ってチェコペレとかマーカスとかのネタをツイートしたって無関心なんだろうなと思うし。

 

 現地からTwitterやブログでどしどしアップしている人もいるとは思いますが、どこかの新聞社や雑誌社が経費を全て賄っているスタッフだったら自社媒体のPRのためにそうすべきでしょうし、僕も心おきなくそうしていると思います(ちなみに、Twitterは2ちゃんねるとは違ってツイート内容のいわゆる“まとめ”への流用を禁止していませんし、ユーザーの著作権が保護されていないという問題もあるので僕はあまり使いたくありません)。

 

 てゆうか、「よく知りもしない相手のことを呼び捨てとかしてんじゃねぇよ!」って言いたくなったけど、大人なので踏みとどまりました(笑)。こういう人って、文句言うくせに僕のアカウントをフォローして情報集めに使ってるんですよね。「嫌いだからフォローしない!」っていうなら納得できるけど、これってまさに浦沢さんのおっしゃってる「タダで見たんだったらゴチャゴチャ言うなよ」だと思うんですけど、どうですか?

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

  • コメント ( 1 )

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  1. masayoriA

    まったくもってその通り。情報はお金を支払って買うものです。支払う金額に見合う価値があるのか、ないのか、それは情報を買う人次第で、支払う価値がないと感じる人は、はなから見なければ良いだけのこと。フリー&シェア、の大切さは十分に理解していますし、活用できる場面では自分でも積極的に活用しています。覗き見をする人たちは、覗き屋のルール、守らないといけないですよね。

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