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【アプレゲールですいません。】やっぱりHONDAはヘン?

20141226-01

 

 コンビニでこんな雑誌を見つけました。『特集 やっぱりHONDAはヘンだ!』。副題が『継承されなかったホンダスピリットの悲劇』。

 

 う〜ん、やっぱり一般紙・経済誌でもそんなふうに感じている人は少なくないんでしょうかね。ホンダのトヨタ化が叫ばれて久しいわけですが、その他に身近なところではANAのJAL化もひしひしと感じますし、どうしても大企業になるにしたがってお役所的になるというか、「有名企業だから入社する」という社員の割合が増えてきて、情熱じゃなくて義務で仕事をするようになってしまうものなのかもしれません。

 

 この雑誌の特集記事の内容は、まぁ一般的なことを整理し直してなぞっただけのものだったりしましたが、世間一般の声として「F1復帰に期待している」とか「ホンダ=F1」という意見、F1復帰を好意的に受け取るという声が掲載されていたのが印象的でした。

 

 これはこの雑誌に書かれていたことではありませんが、世間のF1に詳しくない人の間では、いまだにF1=セナ、ホンダ、鈴鹿という3つなんだそうです。マーケティングリサーチをすると、そういう結果になるそうです。つまり1990年代のあのブーム終焉から時間が完全に止まっているわけです。

 

 日本のレース関係者の間では「佐藤琢磨はNHKにも何度も出演しているし知名度があるはず」というのが一般的なとらえ方のようですが、僕の周りには佐藤琢磨という名前を知っている人は全くと言って良いほどいません。せいぜい有名F1選手といえば「え〜っと、シューマッハだっけ?」というくらいで、あとは「道端ジェシカの彼がF1ドライバー?」「あびる優と付き合ってる変わった名前の人とか……」くらいのレベルです。マリエと路チューだって、そのこと自体が全然知られてませんから!(笑)

 

 日本におけるF1というのはそんなレベルなので、ホンダさんがF1に復帰するにあたって「若者にF1やクルマに興味を持ってもらいたい」「女性の関心を高めたい」とおっしゃって頂けるのは大変ありがたいと思いますし、そういう世間全体へのアピールとかF1の地位向上という意味ではすごく期待しています。

 

 でも、先述したようなサラリーマン的な考え方ではそれは無理だと思います。

 

 やっぱり情熱とか成功とか華やかさとか、憧れられるような世界がそこになければ興味なんて持ってもらえないでしょうし、それって数値目標とかマニュアルとか、そういうものとは対極にある世界だと思います。

 

 日本という狭いマーケットの中でアイドルとかカードゲームを流行らせるのとは違います。広告代理店さんも、そのへんが分かっていないと上手くはいかないと思います。

 

 もちろん、栃木でパワーユニットの開発に当たっている技術者たちは一生懸命に努力をしているはずだと思います。でも、今みたいなやり方じゃそれが伝わってこないんですよね。憧れるようなものがあるのかどうか、それすら伝わってこない。

 

 それはもしかすると、伝えるべき立場にいる人自身がそういうものに対して純粋に感動していないからなのかもしれません。

 

 ちなみにこの雑誌のホンダ特集の次のページには、元TMG会長の山科忠さんが“トヨタホーム社長”として満面の笑顔でインタビューを受けていました。なんたる奇遇(苦笑)。トヨタがF1を撤退したときに会見で涙を流していたあの山科さんです。一貴と可夢偉と木下さんを見捨てて自分はさっさと本社に戻ったあの山科さんです(苦笑)。

 

 気になった方は、雑誌の中身は購入して読んでみてくださいね。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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