REGULAR【連載】

20141130-01

 

 アブダビGPとその後のテスト取材を終えて日本に戻ってきました。これでようやく2014年の取材旅行は終了……のハズです。でも何が起きるか分からないのがこの世界ですからね(苦笑)。えぇ、いつでも「行け」とか「来い」と言われれば世界中どこへでも行く心の準備はできていますよ。普通の人よりはいくぶん世界は狭く感じているつもりですので(笑)。

 

 さて、アブダビではマクラーレン・ホンダが公式テストに初登場したわけですが、世間の反応を見ると、日本の人たちの関心はそれほどでもないのかなぁ?と不安になってしまったというのが正直なところです。というか、もっと注目度が高いものと思っていました。

 

 たとえば、僕個人レベルでもTwitterでツイートしたり各媒体で記事を書かせてもらったりしても、ファンの人たちから返ってくる反応というのが今ひとつというか、数字の上でも目立ったものではありませんし、コメントとかもあまりない……。テストの内容が良かろうと、逆に悪かろうと、注目度が高ければそれだけ反動が大きいはずなんですけど、今回の初テストに対するリアクションというのが思ったよりも薄かったんです。

 

 はっきり言ってしまえば、ホンダ始動!よりもコバヤシ選手の一挙手一投足に関することの方がよほど反応はあるし、ファンの人たちの関心の度合いが高いと言えます。

 

 やはり「日本人ドライバーがいなければダメだ」というのは、日本から2〜3チームが参戦していた2000年代にも言われていたことですし、ファンの心理としてはパワーユニットサプライヤーではなく、日本人ドライバーの活躍が見たいというのは偽らざる本音だと思います。

 

 それに加えて、小林可夢偉というドライバーが、感情移入して応援できるドライバーだという点も大きいのではないかと思います。

 

 彼は良くも悪くもああいう人間ですから(苦笑)、ファンの人たちの間でも好き嫌いははっきり分かれるかもしれません。でも、だからこそ好きな人はとことん好きだし、どこまでも思いっきり応援してやろうという気持ちでいてくれているはずです。トヨタのドライバーだと思われているかもしれませんが、2009年の最後の2戦でチャンスを与えられた以降は何の支援もなく、むしろ足を引っ張られることすらあるような中で、1人でF1の世界を戦い抜いてきた、そして表彰台までのぼり、一度はシートを失いながらもまた独力でカムバックしてきたという彼のドラマは、人々を惹きつけるのに充分なものだと思います。

 

 ファンの人たちが今のホンダにそれだけ感情移入ができるかといわれれば、はっきり言ってそれは無理でしょう。現場で開発に携わっている人たちはあふれんばかりの情熱を注いでいるかもしれませんが、残念ながら我々がそれを感じることができるチャンスはまだありません。

 

 チーム運営の拙さで迷走した第3期の教訓を生かしてパワーユニットに集中するのは良いにしても、「名門のマクラーレンさんと組ませて頂いている」という姿勢でF1に復帰しても、日本のファンの心は掴めないし、一般の人たちの関心を集めることはなおさら難しいのではないかと思います。ましてや、海外の人たちの心など、なにをかいわんや、です。

 

 総責任者の新井さんがホンダのF1復帰について「新橋の飲み屋で話題になるだけではなく、クルマなんて要らないと言っているような若い人にF1を知ってもらい、クルマにも関心をもってもらわないといけない」とおっしゃっていましたが、たとえどれだけホンダのパワーユニットが優れていてマクラーレン・ホンダ勝ちまくろうとも、今のままではそれは難しいような気がします。テレビや新聞、ヤフーニュースを見ても分かる通り、フェルナンド・アロンソが勝ってチャンピオンになっても、日本の世の中の人たちは見向きもしないでしょう。

 

 だからこそHFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)で日本人ドライバーをGP2に送り込んでいずれはF1へ……と考えているのでしょうが、目の前にいる能力のある日本人ドライバーを無視しておきながら、いつまで経っても育たない自社の若手ドライバーを無理矢理F1に乗せたって、それでは誰も共感はできないし応援もできないと思います。というか、それではやっていることが中嶋悟さんの時代から何も変わっていないということになってしまいます。

 

 もちろん、来季GP2に乗る日本人ドライバーが抜群の活躍をしてF1に抜擢!ということもあり得るでしょうが。今のGP2のレベルを考えると、そんなに甘くはないでしょう。少なくとも、チームメイトである参戦2年目のストフェル・バンドールンを初年度から超えるような走りはまず不可能だと思いますし、彼を超えられないのならF1へステップアップしても世間の賛同は得られないのではないでしょうか。

 

 自社の意地を通すためにそんなことやるくらいなら、可夢偉に支援の手を差し伸べたほうがよほど大きな共感が得られるし、世間のF1に対する関心も高まると僕は思います。ものすごくシンプルな話だと思うんですけどね……。

 

 こんなこと書いたら、またどっかから怒られるかなぁ(笑)。まぁいいや、アプレゲールだし!

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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Comment

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  • コメント (5)
  1. bule
    • bule
    • 2014年 11月 30日

    激しく同意ですね!
    どんなスポーツでもそうだと思いますが、日本人が活躍しないと日本でF1を知らない人に認知されないと思います。
    大リーグ、テニス、オリンピック等々、みんな日本人の活躍がみたいのです!

    最近ではテニスがわかりやすいのでは?
    彼の活躍が見たいために、独占放送しているWOWOWの加入も飛躍的に伸びました。

    マクラーレンホンダが、アロンソで活躍したとしても、どこまでF1を知らない人にアピールできるか。
    ここ最近のホンダのニュースはF1以外で多々ありますが心配になるものばかりです。

    とにかく、15年もカムイがF1で活躍することを願います!!!

    • masayoriA
    • 2014年 11月 30日

    まったく同感、! それ以外ありません。
    それにしても、なぜ日本企業はF1に無理解なんでだろう。

    • kamuren
    • 2014年 12月 01日

    米家さん、お疲れ様です^^;

    素晴らしい…の一言。
    流石です。

    HONDAに気付いて欲しい。
    認識したら行動して欲しい。

    • kterui
    • 2014年 12月 01日

    米家さん、まったくもっておっしゃる通りだと思います。

    • ManGok
    • 2014年 12月 01日

    その通りですね
    ぶっちゃけ始まる前から『滑ってる感』丸出しなんですよね…

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