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【F1リアルスコープ】ルーマニア製のF1用ピレリタイヤがある?
ピレリタイヤはトルコのイスタンブール近郊にあるイズミットの工場で製造されています。ですので、実は全てのピレリタイヤには「MADE IN TURKEY」という刻印が入っています。6色のピレリロゴが刻印されているサイドウォールのところに小さくモールドされているんです。
でも「MADE IN TURKEY」だけではなくて「MADE IN ROMANIA」というものもあります。ルーマニア製なのはなぜ?
前述の通りピレリのF1用タイヤは全てトルコのイズミット工場で専用製造ラインを使って製造されているのですが、もしこのイズミット工場に何らかのトラブルが起きた場合にタイヤ製造が不可能にならないように、予備の製造ラインとしてルーマニアに工場があるんです。
そちらのルーマニア工場で製造されたタイヤには、当然ながら「MADE IN ROMANIA」と刻印されているわけです。
見た目は全く同じタイヤですが、このルーマニア製のタイヤが実戦で使用されることはありません。イズミット工場が正常に機能している間は、ルーマニア工場で作られているのは「デモ走行用タイヤ」です。テスト規制対象にならないイベントなどのデモ走行で使用されるタイヤで、トルコ製の実戦用タイヤに「COMPETITION USE ONLY」と刻印されているのに対し、こちらは「SHOW RUN ONLY」と刻印されています。
もちろんルーマニア工場でも性能も全く同じタイヤを作ることは可能で、昨年すでにルーマニアで製造されたタイヤを追加テストタイヤとしてFP-1で走らせて何ら問題がないことも確認済みです。
(text and photo by 米家 峰起)
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