【アプレゲールですいません。】ホントに今年のF1、つまらないの?
なんだか最近、F1が面白くないぞ的な意見のコラムが散見されるんですが(苦笑)、僕的にはホントにそうなの?という感じなんですよね。面白くないと言われても現実味がないというか。
確かにメルセデスAMGの独走で、誰が勝つかというワクワク感がないとかニコちゃんかハミちゃんファン以外の人たちにとっては魅力が薄れてしまったかもしれません。でも、そんなの去年だってそうだったのでは……? 2004年だってそうだし、1988年だってそうでしょ?
多分、今年の新しいレギュレーションがどうとかいう問題じゃないんだと思います。確かにノーズは不格好になったかもしれないし、音は魅力的でなくなったかもしれませんが、だからといってF1のレースが面白くなくなったわけじゃないし、レースそのものが変わったわけじゃありませんから。僕はノーズは開幕までに見慣れてしまったし、音も今じゃこの方が耳に優しくて良いなと思ったりするくらい。GP2とかGP3が走り始めると、現場の人間も「うるさくて耳が痛いよ!」って文句言ったりしてますもん(苦笑)。
新レギュレーションがどうとかワンメイクにすれば良いとか、20年前の予算規模に戻せば良いとかいうのは、ちょっと論点が違うような気がします。予算規模が小さかろうとトップチームはトップチームのままだろうし、実際20年前はトップチームとテールエンダーの差は今の何倍もあったわけですいから。
F1は22人のドライバー、11チームのスタッフ全員が勝ちたくて全力で戦っていて、それでも勝てるのは一人しかいなくて、悔しい思いをしている。その戦いのレベルは技術的にも人間的にもGP2やスーパーフォーミュラとは比べものにならないくらい複雑でハイレベルなわけで、だからこそドラマもたくさんあるわけです。他のカテゴリーを馬鹿にするつもりはないし、どんなカテゴリーでも厳しい戦いがあると思いますが、F1のあのクルマの作りとか圧倒的な物量を見れば、他のカテゴリーとは次元が違うというのは肌身で感じるものです。
だから、現場で取材していると面白いことはいくらでもあるし、面白くないと言われても「そう?」って感じなんですよね。
現場で取材している僕らがその面白さや魅力を伝え切れていないせいだと言われればそれまでなんですが、この『F1LIFE』ではそういう面白さをできるだけお伝えしているつもりですし、他のメディアに書かせて頂くときもでもなるべくその努力はしているつもりです。
現場にいる人間は、意外と今年のF1に対してネガティブな意見や感覚は持っていないものです。実際、今のF1に対してネガティブな見方をしている人のほとんどはまだ今年のF1をしっかりと見たり取材したりしていない人なのではないかという気がします。
そもそもF1を初めとしたモータースポーツの魅力って世間一般の万人に受け入れられるようなものではないし、F1でどんな技術が使われていてそれが市販車に応用できるかどうかなんてどうでも良いことなんです。自動車メーカーだって、株主や世間に対する口実としてそれを声高に叫んでいるだけで、実際には「やりたいからやる」というだけのこと。
見る側だって、万人に見てもらおうとするのがそもそも間違っていて、見たい人だけ見るということにすればいい。その規模でサステナブルなF1にしていけば良いんです。
この20年間でF1がとってきた拡大主義で自動車メーカーを引き入れてどんどんいろんな国で開催してというビジネスモデルが厳しくなってきてその時代が終わりつつあることは確かですが、それとレースの面白さ云々というのは切り離して考えた方が良いのではないかと思います。
(text and photo by 米家 峰起)
今年もF1がおもしろいというのは間違いないと思います。
ただ世界的に視聴率や観客数が減っているのも事実で、クサしてる人たちはそういったことに危機感を持っているのかな、と勝手に想像しています。
もちろんそんな事はいちファンが思い悩んでも詮無いことですし、結局は中の人たちが対処するしかない問題ですが、それだけに歯がゆいのではないのかなと。
自分としてはやはりF1はF1ですし、一番おもしろいレースであることに変わりはありません。
まぁ、DRSだけは嫌いですけどw