【アプレゲールですいません。】「スーパーフォーミュラが速い」っていうけど……
なんだか日本の一部のモータースポーツ関係者の間では、今年から車体とエンジンが新しくなって速くなったスーパーフォーミュラを持ち上げようという機運が高まっているそうです。あくまでごく一部の人だとは思うんですが……。
確かに今年のスーパーフォーミュラは速いでしょうし、鈴鹿では(現時点では)F1よりも速いかもしれません。でもそれはタイヤの柔らかさとか、使っている燃料量の差によるものですし、まぁ正直言って、2〜3秒速かろうと遅かろうと、目の前のコーナーだけじゃ差は分かりません(苦笑)。今年のF1だって「遅い」と言われるけど、ラップタイムを見なければ遅いかどうかなんて分からないですもん。いや、実際速いですしね。
速いからといってお客さんがたくさん見に来るかというと、確かにまぁこの話題性によって増えてはいるんでしょうけど、映像を見る限りでは1コーナーの先なんて観客席にはほとんど人がいないような状況でした。実際、メディアの人たちの数もスーパーGTに比べると圧倒的に少なくて、仕事になるような状況じゃないそうです。自動車雑誌などもGTは取り上げてもスーパーフォーミュラには無関心だと。
F1って速いからお客さんがたくさん見に来るわけじゃなくて、お祭りだからそれを楽しみに来るわけですよね。つまり、エンターテインメントとして成立しているという。いくらGP2がF1より速くても、GP2のレース中の観客席なんて寂しいもんですからね(苦笑)。お客さんは速いクルマが走るレースを見に来ているわけじゃないんです。
確かに新生スーパーフォーミュラの技術はすごいのかもしれないけど、F1のパワーユニットに比べれば世代が違うというか、明らかに古い技術です。なのに、スーパーフォーミュラを持ち上げるためにF1の新技術を卑下するようなことを言う人もいるそうです。
F1の新パワーユニットに携わっている人たちはみな一様に、「パフォーマンスは下がったかもしれないが、これはすごい技術だし、これをレースで実用化していることはものすごいことなんだということを知ってもらいたい」と心から語ります。リアカウルの内側を見れば、それは明らかです。これまでのようなクルマ&エンジンという感じではなく、まさしく“機械”といった発電所のようなメカメカしさです。
結局のところ、日本人で2014年のF1マシンを実際に生で見たことのある人って、ほとんどいないんですよね。それなのに見てきたかのように語っていたりするし、それをありがたく拝聴する人もいる。テレビ中継にしても専門誌にしてもそんな状態で、それに何も疑問を感じないファンの人も少なくない。そのあたりが日本のモータースポーツに関連するメディアの悲しいところなのかなと思ったりします。
(text by 米家 峰起 / photo by Honda)
どうしてお金払ってこんな愚痴みたいな記事読まんといかんのか・・・。
どっちもおもしろいしどっちも好きだよ。
つーか別のレースじゃん。
愚痴だと思われてしまったのなら、不快な思いをさせてすみません。ある人から聞いた「F1を下げてスーパーフォーミュラを持ち上げようとしている輩がいる」という話が、あまりに衝撃的だったもので・・・。おっしゃる通り、どちらも面白いと思います。でもその面白さがちゃんと伝わりきっていないのが残念だと思うんです。
F1のPUが非常識なレベルの高効率であることは分かったし、だからこそ音が小さくなるのも当たり前。燃料的にも制約があるからあったりするのでSFに負けるかもというのはわかります。所詮別カテゴリーですしね。
私はメカのこととかある程度絡んでいるのでその辺も噛み砕けているつもりなのですが、インパクトに欠けるのとメカニズムが難しいので、F1のそのすごさがなかなか伝わりにくいですよね。
米家さんひとりにお願いする訳ではないですが、もっともっとF1ってこんなに凄いんだ!って伝えていただ
けるともっと、、うれしいです。
我々伝える側も含めて、どうしても(技術系じゃない)一般の人には分かりづらいですよね。そもそもチーム側は自分たちのアドバンテージを教えたくないからなかなか説明もしてくれませんしね。だから世の中には間違った情報もたくさんありますし。それがお伝えできるように頑張ります!