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2019 Rd.11 GERMANY
【UTSU】土曜予選分析レポート:ガスリーの予選徹底分析

【UTSU】土曜予選分析レポート:ガスリーの予選徹底分析

2019 Rd.11 GERMANY

 

『F1LIFE』のインターンシップUTSUこと正木聖がドイツGPで取材したレポートをお届けします。まだまだ至らぬ点も多々ありますが、1人でも多くの方に読んで頂き、叱咤激励の声を頂ければと思います。

 

*  *  *

 

ピエール・ガスリーはドイツGP予選で惜しくも予選トップ3を逃す4位という結果にはなったが、イギリスGPからの好調な流れを継続できていることを感じさせるような走りを見せた。調子が上向きになっているガスリーだが、どこまでトップに近づけているのか、残す課題は何か、予選での戦い方やタイムを見ながら考えてみたい。

 

Q1はルイス・ハミルトンに対して0.14秒差の4位で終えた。ここで触れておかなければならないのは、マックス・フェルスタッペンが1セットのソフトで通過できたのに対し、ガスリーは2セットのソフトを使用してようやくこのタイムを出したということだ。1セット目ではセクター2にミスがあったようでフェルスタッペンに対し0.4秒、セクター3では0.25秒遅れ、1周トータルで約0.7秒離される展開となった。

 

2回目のランではセクター1でフェルスタッペンに対し0.1秒リードしたものの、セクター2とS3で合わせて0.5秒失っており、一度はオーストリアGPの展開を思い起こさせるような展開だった。これはタイヤのウォームアップを充分に行なえなかったことが遅れの原因だという。2回目のランでQ1を通過するのに充分なタイムが出たとはいえ、フェルスタッペンよりも1セット多くタイヤを使うことはレースで使える新品タイヤを減らすことに繋がるため、自ら不利な状況に置いていることになる。そのために一発で必要なタイムを出すようにすることが今後クリアすべき課題のひとつだろう。

 

Q2ではガスリーは1発ですべてのセクターをまとめ上げ、3位のタイムをマークし、Q1でうまく行かなかった流れを止められるような走りを見せた。ここで注目したいのは、セクター2のタイムだ。この時のセクター2は全体ベストではなかったが、34.715をマークし、この時のバルテリ・ボッタスやフェルスタッペンのタイムを上回った。その結果Q2では3位の座を射止め、Q3ではメルセデスAMGの1台を捕らえるチャンスが見えるようなタイムだった。

 

しかしQ3になると1回目のアタックでQ2のタイムを上回ることができなかった。2回目ではターン17のトラックリミット違反によってタイムが抹消され、結果として1回目の記録が最終結果に採用された。抹消された2回目のタイム1分12秒180を見ると、ガスリーは自己ベストを繋げて、Q2での記録をコンマ2秒も上回ってみせた。

 

削除されたラップも含めて各セクターのベストタイムを繋ぎ合せると、1分12秒127となり、ボッタスのタイムを1000分の2秒上回って3位になっていたことになる。実際の結果は4位に留まったわけだが、内容としてはトップ3になり得るもので、今後のレースでメルセデスAMGを上回る可能性を秘めていることを匂わせるような記録だ。

 

 

内容的にはトップ3に相当するような結果を残した今日の予選についてガスリーは次のように振り返った。

 

「クルマのフィーリングとしては、FP3で伸び代がいくらかあって予選で上手くまとめることができた。Q3の最後のラップは良かったけど、ターン8で1回目のランよりもタイムを失っていたので1分12秒0が出せたはずだ。2位か3位になるためには0.1秒足りていないけど、うまくまとまってきているよ。この0.1秒を縮めるためにプッシュし続けるよ」

 

本人が言うように、トップ3に入るためには0.1秒を残している状況だ。また、Q1やQ2で充分なタイムを1発で出せないことに対しては、レースへの戦略に対して不利な要素となるためクリアすべき課題のひとつだろう。ガスリーが予選でトップ3に入るための課題はすべてクリアになっていないが、シーズン序盤で見られていたフェルスタッペンに0.5秒も離されるようなことは少なくなってきたのも事実で、着実にトップ争いに絡めるチャンスが出てきているように見える。

 

レッドブルとしてもチームとしてメルセデスAMGに対抗するためには、フェルスタッペンだけでなくガスリーの力も必要だ。そのガスリーが今回メルセデスAMGの間に割って入るようなパフォーマンスを予選で見せたことで、ドイツGPだけでなくこれ以降のレースでもダブル表彰台への期待も高まるところだ。前述の課題はあるにせよ、シーズン序盤よりもガスリーが表彰台に乗る可能性が高まっているのは今回の予選の走りとタイムから伺うことができる。

 

(text by Takashi MASAKI / photo by Red Bull, Pirelli)

 

 

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