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【サーキット解説】超特殊な低速度域、モナコ専用『Rev 1』とは?【2026 Rd.6 MCO】

2026 Rd.6 MONACO

 モナコGPの舞台モンテカルロ市街地サーキット(シルキュイ・ドゥ・モナコ)の特性とパワーユニットのエネルギーマネージメントに関する情報を解説しておこう。

【サーキット特性】

 全長3.337kmで全開率は45%程度と低く、実質全開時間も31.5秒程度と短い。距離では41.6%(全開距離は1388m)となっている。

 コーナー数は19まであるが、実質的なコーナー数は12。低速が7つ、中低速が3つで、中高速は2つ。

 2025年のポールラップ(ランド・ノリス)の車速データを見ると、最も低速のターン6では46km/hで、ターン11と18は60km/h台、ターン5、7、8、19は80km/h台と、車速域のかなり低いコーナーが多い。

 その一方で最高速はターン1手前で288km/hまでしか伸びておらず、290km/hを超えることはなく8速も使わない。250km/hを超えるのは4箇所しかなく、僅か11秒間と極めて短い。

 公園を使っているため路面グリップは低く、タイヤへの負荷はかなり小さくデグラデーションも小さい。木曜から土曜まで毎晩コースは開放されるため、レース週末におけるトラックエボリューション(路面改善)よりも1日の中でのトラックエボリューションが大きいことに注意が必要だ。

 

【サーキット変更点】

 今年の開催に際しての変更点は以下の通りで、実際の走行に直接的な影響があるのはメインストレートとターン7〜8出口の再舗装と、ターン10と16のソーセージ縁石が低くなったことくらいだ。それ以外にはガードレールやデブリフェンスの延伸や変更が加えられ、レース運営上の安全性向上が図られている。

 なお、ターン10〜11をカットして前走車の前に出た場合は、ターン12までにポジションを戻すことが義務づけられている。

 ターン10の先のエスケープロードに退避した場合には、シケイン出口ではなくコースと並走するかたちでターン12手前まで伸びたエスケープロードを直進し、シグナルがグリーンとなるのを待ってコースに復帰することが義務づけられている(ターン12手前にバリアの切れ目=復帰路がある)。

・再舗装:T19〜1、T5ランオフ、T7〜T8出口、ピット入口&出口

・T10、T16ソーセージ縁石低下

・T6エイペックス、T19出口縁石のスムーズ化

・T4アウト側タイヤバリア←TECPRO

 

【エネルギーマネージメント】

 モナコではストレートモード(SM)は設定されていない。エネルギー不足が起きないコース特性であるため、ストレートでドラッグを低減する必要がないからだ。また、SMを使うと車速が上がりすぎてコースが対応できない危険な状態になる可能性が高いためでもある。

 パワーユニット制御とエネルギーマネージメントに関する規定は以下の通り。

  • リチャージ

・決勝:8.5MJ(オーバーテイクは9.0MJ)

・予選:9.0MJ

・フリー走行:9.0MJ

 1周は短いもののブレーキングでのリチャージ量は多く、予選でのリチャージ量は9.0MJと高く設定されている。SMが使用できないこともあり、リチャージ量を高く設定して最大限にエネルギーを使い、ストレートでもエネルギー切れのないフルディプロイの予選・決勝が可能になるよう設定したものと思われる。

  • エネルギーマネージメント

 前述の通りモナコでは通常のサーキットはかなり異なる速度域での走行となるため、それに合わせた「Rev 1」というMGU-Kの出力マップが使われる。

 通常は290km/hから出力が低下していく設定だが、Rev 1では200km/hから低下して300km/hで0kWとなる。これが決勝モード(Rev 1 – Standard)で、予選モード(Rev 1 – Overtake)では200km/hから低下していき300km/hで150kW、310km/hで0kWとなる。

・決勝250kW区間:なし

・0kW区間:ターン19出口(予選のみ)

・MGU-Kリセット区間:コントロールライン手前267m(予選のみ)

 モナコではエネルギー量が豊富ということもあって、出力制限は基本的になし。予選アタック開始前にターン19からコントロールラインまでエネルギーセーブのためにパーシャルで走る必要がないよう、予選のみ0kW区間とリセット区間を設けているだけで、決勝は単純に350kW出力のMGU-Kを無制限に使うことになる(Rev 1の出力マップにおいて)。

 MGU-Kの出力は100kW/sで低下させなければならず、スロットルを全開にすれば1秒以上200kW以上の出力が義務づけられるが、そもそもモナコではコーナー出口ではパーシャルスロットルの区間が多く、高速度で再び全開で踏み直すといった区間が存在しないため、問題にはならないはずだ。ただしターン13〜14が全開でなかった場合は、ターン15に向けた踏み直しでこの問題が発生する可能性があり、特に決勝のバトル状況ではこうしたシーンが問題になる可能性はありそうだ。

 

(text by 米家 峰起 / photo by 小野 智也, Honda)

 

 

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