【決勝】ピットストップ分析:角田裕毅が5台同時ピットインを阻止できた方法【2024 Rd.4 JPN】
日本GP決勝の22周目に5台同時のピットインが発生した。その各チームの腕(静止時間)と各ドライバーの腕(ピット通過時間)は別記事で分析したが、5台同時ピットインというシナリオを避け、アンダーカットを仕掛けることが可能だったのかどうかを解説しよう。
中団グループは1ストップ作戦でステイアウトのケビン・マグヌッセンがバルテリ・ボッタス、同じくステイアウトのローガン・サージェント、角田裕毅、ランス・ストロールを抑え込んで5台の集団となっていた。
そして後方ではエステバン・オコンが19周目にピットインしてアンダーカットを仕掛けている状況であり、この5台集団はアンダーカットを阻止するためには22周目までにピットインする必要があるのは明白な状況だった(実際にオコンの前で戻れたのは5台の中で角田のみ)。
その中で22周目の130Rを抜けたところでステークがボッタスにピットインを指示。これを受けてハースはピットエントリー直前でマグヌッセンにピットインを指示し、他車もこれに続いた。デグラデーションが大きくアンダーカットが強力に機能する鈴鹿においては、翌周ピットインすれば5台集団の最後尾まで落ちることは確実だったからだ。
【RBと角田裕毅が採るべきだった戦略】
こうした状況の中で、集団の4番目を走っていた角田がやらなければいけなかったのは、他車よりも先にピットインしアンダーカットを仕掛けることだ。3台前のマグヌッセンとのギャップは20周目で2.166秒、21周目で2.183秒だったのだから、マグヌッセンより1周早くピットインすればアンダーカットはできた可能性が高い。
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この記事をこのまま角田くんに渡したい。
チームはレース中、いつでも緊急ピットに対応できるよう準備を整えておくべきだと思いますが、
タイヤが準備できていない、というのは毎年起きておりお粗末に感じます。
ピットストップ作業を毎年改善し続けて2秒が当たり前、3秒なんて遅すぎ、という突き詰めをしながら、タイヤ準備だけはいつまで経っても変わっていないように見えます。
タイヤ準備こそ、外部要因を排除して用意できると思うんですが。
ハースは間違いなく今回のミスでオペレーションを改善するでしょう(小松さんがすでにそう語っています)。RBも手を打たないと、次は負けますね。
結局ここにもタイヤ分析の重要さと、最後に責任もって攻めの決断力が必要になるのかと思います。
20週目でも21週目でも路面温度を予想してハードでここまでは持つ!もしくはここで勝負しないと勝てないからギャンブルに出る、といったアンダーカット方向の勝負はここ最近では見られていないイメージがあります。
去年最終戦のようなオーバーカット方向には勝負するのですが…。
まだまだ課題は多いと思いました。DAZNのインタビューでは角田選手があれは課題なんですよ〜って仰っていましたが。
改善スピードがハース(小松親分の)に比べると遅いようにも感じます。
毎回課題を見つけて、即改善して実行に移す、そんなプロフェッショナルな組織であって欲しいです。去年のハースはそこが出来ていなかったのかな。
上位チームがピット出口側にガレージを設定するのは、タイヤ準備の時間を稼ぐのが目的なのでしょうか。
そうですね、RBは引っ張る方向の戦略は良く機能するのですが、つまりは先手を打ってアンダーカットを仕掛けなければいけないレース=デグラデーションが大きいレースは苦手ということになりますね。これはデグの読みが甘いことと、ストラテジストの決断力が弱いことの両方に原因があると思いますが、前者が改善できないとハンナ・シュミッツでも正しい決断は下せないような気がします(入る必要がない状況で入るのはリスクでしかないですから)。