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【2022 Rd.7 MCO】日曜アルファタウリ「攻めなければ舐められる。最後に仕掛けたことに後悔はありません」

【2022 Rd.7 MCO】日曜アルファタウリ「攻めなければ舐められる。最後に仕掛けたことに後悔はありません」

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 角田裕毅がレース戦略に不満をぶちまけたモナコGP決勝の戦略やレース週末のパフォーマンスについて、アルファタウリのトラックサイドエンジニアリング責任者を努めるジョナサン・エドルスに聞いた。エドルスはチームの戦略ミスを認めたが、モナコGPでは中団トップを争うパフォーマンスがあり、次の2戦にも期待が持てるとその理由を説明した。

 

ーー角田裕毅はチームの戦略に不満をぶちまけていました。

「早い段階でインターミディエイトに交換するというピエール(・ガスリー)の戦略については非常に良かったと思う。そのペースが速かったのを見てユウキにも同じ戦略を採らせたんだが、残念ながらミック・シューマッハの後ろに戻ってしまいトラフィックに引っかかるかたちになってタイムを稼ぐことができなかったんだ。その点は非常に不運だったと思う。もちろん特に予選、決勝でのピットストップなどチームの運営面でも見直さなければならない部分は多々あったと言わなければならない」

 

ーーFP3までの走りを見る限り、予選では中団トップが狙えそうなポテンシャルが感じられました。

「この市街地サーキットでのパフォーマンスの良さは非常にポジティブな要素だったと考えているよ。間違いなく中団上位を争えるだけの速さがあったんだ。低速のモナコでのパフォーマンスを見れば、バクー、カナダとここから市街地サーキットがさらに2戦続く中でも良いパフォーマンスが発揮できると楽しみにしているよ。今週の我々は純粋なペースは非常に良かったが、最大の問題は予選だった。今週のレースは基本的にほぼ全ての方向性が土曜日に決まってしまったわけだからね。チームとして改善すべき最大のポイントはそこだ」

 

ーー角田にミディアムを履かせたレース後半の戦略については?

「我々は2台のマシンの戦略を分けたかったんだ。ミディアムが大きなギャンブルだとは思わなかったが、ピエールにはハード、ユウキにはミディアムを履かせた。ミディアムにはグレイニングのリスクがあることは分かっていたが、実際にトップ4台を見ても分かる通りチームによってその判断は分かれていたし、ペースは似たようなものだった。実際のところ、ガレージ戻って来たマシンをチェックしたところリアウイングがガタついているのが見つかった。だからレース後半のユウキのペースが振るわなかったのがタイヤ選択のせいなのかどうかは分からないんだ。ウエットコンディションでセンサーの全てが正常に機能していなかったためにリアルタイムのテレメトリーでは把握できていなかったが、これからしっかりとデータを見直す必要があるだろう。いずれにしてもライバルたちの状況を見る限り、タイヤ選択が問題というよりもタイヤを上手く機能させられるかどうかが問題だったと思うよ」

 

 

ーー予選Q1でバリアにヒットした角田車にダメージはあったのでしょうか? チームは問題ないと送り出しましたが、角田自身は違和感を感じていたようで、パルクフェルメではトラックロッドを交換していました。

「トラックロッドに小さなダメージがあったのと、フロントウイングにも小さなダメージがあったんだ。どちらもそれほど大きなダメージではなかったものの、トラックロッドに関しては(チームが想定する強度上の)限界を超えていたので交換したんだ」

 

ーーバルセロナのセクター3で苦戦しただけにモナコも苦しいと予想していたようですが、実際にこれだけ高いパフォーマンスを発揮できた要因は何だったのでしょうか?

「バルセロナとここは全く異なるサーキットで、バルセロナでは高温のコンディションもあって高速コーナーでマシンがスライドしすぎてタイヤがオーバーヒートしグリップを得られないでいたんだ。それを根本的に解決するためには、コーナリングスピードを遅くするか、ロード(負荷つまりダウンフォース)を増やすしかない。バルセロナのようなサーキットでタイヤを守るためには、もっとダウンフォースを増やさなければならないんだ。しかしモナコはハイダウンフォースサーキットだが低速だからダウンフォースレベルのラップタイムに与えるセンシティビティはバルセロナに比べて圧倒的に低い。空力面は重要とはいえその重要性は通常よりも低く、メカニカル面が優れていればカバーできる。今週も高温だったが高速コーナーは少ないためタイヤのスライド量は少なく、タイヤの状態をマネージメントすることができたんだ」

 

ーーバルセロナの低速コーナーで苦労したものの、AT03には低速域のパフォーマンス自体はあるということですね。

「そうだね、バルセロナでは低速コーナーでも苦しんでいたが、それはターン3やターン9のような高速コーナーでタイヤが過剰にスライドして過剰にオーバーヒートするために起きていたことだ。最終セクターに来る頃にはタイヤが悲鳴を上げているような状態だったんだ。だからバルセロナで抱えていた問題は理解ができているし、今後のアップデートによってその問題を解決していくつもりだよ」

 

ーーそういう意味では、高速コーナーの少ない行動サーキットのバクーとカナダでのパフォーマンスも期待できますね。

「個人的にはバクーもカナダも自信を持っているよ。実際にはダウンフォースレベルが大幅に異なるためモナコとはまた少し異なるが、両方とも市街地サーキットで低速コーナーが多く、その点で我々としては自信を持って臨むことができるね」

 

 

(text by 米家 峰起 / photo by AlphaTauri)

 

 

 

 

 

 

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