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REGULAR【連載】

【アプレゲールですいません。】紙幣に見るその国の経済的・文化的レベル

20140410-01

 

 オーストラリアの税関で「こんなに世界各国のお金を持ってるのはオカシイ!」と問い詰められた話はここにも書きましたが、その世界各地の紙幣を見るとだいたいその国の文化レベルが分かる、というのが僕の持論でして。

 

 日本の紙幣は、和紙を使っていて元々の品質が高いというのもありますが、市中に出回っている紙幣でグッチャグチャのものって滅多にないですよね。破れているものもほとんどない。

 

 経済的な話をすれば、それだけ現金が流通しているとか、その回り方が速いとか、日本銀行が新札と入れ換えている頻度が高いということになるのでしょうが、それだけ日本経済が豊かだという証だと思います。経済的に“回っていない”国では、国(発券銀行)の介入もそれだけ少ないでしょうし、やっぱり紙幣はボロボロですもん。で、経済的に発展している国とか、景気が良くなってきているところというのは紙幣もキレイ。

 

 でも、それにも増して感じられるのが、市井の人々のお金に対する扱いの差。文化的な差です。

 

 例えば、インドや中国に行けば、「なんで?」っていうくらい紙幣はグッチャグチャのボロボロになってたりしますし、落書きとかも平気です。見てると、地元の人はグシャグシャっとポケットに突っ込んだりしていますし、インドではホチキスで留めた跡なんてのもメチャクチャよく見かけます(苦笑)。僕らからすると、毛沢東とかガンジーとか、あなたたちの尊敬する人のご尊顔じゃないの? それが描かれている紙幣を大事にしなくていいの?って思いますが、地元の人たちはそんなことお構いなしです。

 

 きっと、そういうところも国全体の経済的レベルが上がってくれば変わってくるんだと思います。実際、中国ではATMでさえ偽札が出て来るという話もある一方で、キレイなお札の割合も増えてきていますしね。

 

 それ以外で意外と紙幣がボロッボロな国と言えば、UAE(アラブ首長国連邦)とか、アメリカ合衆国。豊かな国というイメージもありますが、中流以上の人はクレジットカードが中心で、現金を使うのは下層の人が多く、その人たちの生活レベル・文化レベルは低いということなのかもしれません。

 

 世の中では格差がどうのこうの言われていますが、そういう意味では日本は全体的にまだまだ豊かで幸せな国なんだと思います。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

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