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【アプレゲールですいません。】ピットレーンでのクラッシュ

【アプレゲールですいません。】ピットレーンでのクラッシュ

20160925-01

 

 今週はスーパーフォーミュラのコバヤシ選手取材はお休みさせてもらって、自宅待機です。だって、菅生遠いんだもん(笑)。岡山と違って飛行機じゃないからマイル貯められないし。てゆうかまだ一度も行ったことないんですけど(笑)。

 

 で、今回のコバヤシ選手はどうなんだろうとふと思ったらすでに予選が終わっていたので(苦笑)、某ウェブサイトで結果を見てみたら、Q1で敗退してるし。てゆうか、ピットレーンで刺さってるし。しかも2回も刺さったって書いてあるし。

 

 いや実はですね、現地で見ているときから「危ないなぁ」と感じる場面が何度かあったんです。スーパーフォーミュラのピットレーンには、こういうことが起きる要因があったんです。

 

 まず、F1と違ってタイヤウォーマーがないということ。F1だとエンジンを始動して、タイヤウォーマーを外して(外したウォーマーをタイヤに被せて待機して)、そのマシン担当のナンバー1メカニックがフロントジャッキを降ろして、ピットレーンに後ろ走りで出て行って、ゴーサインを出したらメカニックがタイヤウォーマーをさっと引っ込めると同時にドライバーがガレージアウトしていく、という流れになります。

 

 しかしスーパーフォーミュラの場合はタイヤウォーマーがありませんから、エンジンが掛かったらすぐにガレージアウトして行きます。普段F1で撮影している熱田カメラマンや桜井カメラマンがスーパーフォーミュラの撮影に来てコクピット脇で撮影していると、ついそのことを忘れて轢かれそうになったこともあったり。

 

 つまり、「じゃあコースインしようか」となってから、タイヤウォーマーを外すというワンクッションがなくガレージアウトしてしまうんですね。この時間のなさが、ピットレーンでの接触の要因のひとつではないかと思います。

 

 逆に、タイヤウォーマーのワンクッションがないからこそ、ナンバー1メカニックの「OKサイン」がガレージアウトではなくエンジン始動のサインになってしまっていて、そこからガレージアウトまでには若干のタイムラグが生じるため、その間に他車が来てしまって接触する、ということもあるのかもしれません。

 

 もうひとつは、ドライバーに「ガレージアウトしてもOK」と最終的なサインを送るナンバー1メカニック自身。F1だとジャッキを降ろした後、後ろ走りでファストレーン(走行レーン)の境目まで出て行って、ピットレーン入口の方を見ながらOKサインを出します。出て行っても安全かどうかの最終的な判断は、ドライバーではなくナンバー1メカニックなのです。

 

 が、スーパーフォーミュラの場合はナンバーワンメカニックのこの確認が充分でないと感じられる場面が何度かありました。ですからドライバーたちもガレージアウトの際に進行方向ではなくピットレーン入口の方を見ながら出て行くんですね。F1ドライバーはナンバーワンメカニックの判断を100%信頼しているから、そんな方向なんて見ないし、進行方向だけを見て発進していきます。

 

 今年の開幕戦でリオ・ハリヤントがハースのクルマに刺さったことがありましたが、あれもまさに同じ状況で、ナンバー1メカニックの判断ミスでした。マノーもハースもほぼ新人スタッフで、ナンバー1の仕事をするのは始めて

 

 あとはみんな疑問に思っていると思うんですが、予選開始5分前とかに全車一斉にピット出口に並ぶ、あれ。もちろんトラフィックに引っかかりたくないし自分のペースでウォームアップしたいから、良いポジションを狙って並ぶんでしょうけど、頭の数台に入れるならその意味もあるけど、何台も並んだところに並びにいっても意味ないでしょ? なのに10数台が並ぶんですよね。ホントに不思議。チームの人に聞いても、いまひとつ意味が分からなかったりするし。

 

 スーパーGTではこの辺の規制もあるらしいんですが、なんでGTにあってスーパーフォーミュラにないのかもよく分かりません。やってる人たち(ドライバーやチーム)は同じなのに。てことは、やっぱり運営側の問題?

 

 ちなみに、菅生のピットレーンはスーパーGTでもSC中にクルマが詰まって身動きが取れなくなり大渋滞になってしまったことがあるくらい、狭いので有名なんですが、狭さでいえばF1開催サーキットでもメルボルンやシンガポールなんかもかなりのものです。

 

 F1の場合、そういうガレージアウトが難しいサーキットでは、ピットガレージ内でもナナメにマシンを置きます。そうすることで、ガレージアウトの際にまっすぐ浅い角度でスムーズに出て行くことができるというわけです。逆に言えば、だからこそ余計にドライバーは後方なんて気にしてられないんですけどね。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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