【アプレゲールですいません。】ヘルメットのカラーリング固定よりやるべきことがあるでしょ
2015年からヘルメットのデザインを1つに統一するという話が出ています。今週のF1委員会で承認されたら世界モータースポーツ評議会で批准されて決定するのだとか。
確かに昔は各ドライバーのヘルメットデザインがハッキリしていて、セナと言えばこれ、マンセルと言えばこれといったように個性がありました。そういう時代を懐かしむ気持ちも分からなくもありません。
でも、ヘルメットがドライバーのアイデンティティだというのはちょっと既成概念に囚われすぎというか、古い価値観のような気がします。実際、ファンの人たちの間でも「今回の規制はやり過ぎでは?」という意見が大半のようです。
僕も、そんな規制をすること自体がドライバーのアイデンティティを削ぐことになると思いますし、スペシャルヘルメットが見られないとしたら残念です。こういう規制をしても、毎年カラーリングは変わるし、昔のようなドライバーのアイコンにはならないでしょうしね。全く無意味な規則だし、反対意見が噴出してルールが変更されるか、最終戦ダブルポイント制のように来年にはなくなっているんじゃないでしょうか。
取材していて感じますけど、そもそも最近の若いドライバーってヘルメットのデザインにそれほどこだわりもないですしね。上写真のコバヤシ選手もそうですが、デザイナーさんやペインターさん任せっていう人も少なくないし。むしろ、あれだけちょこちょこ変えててもひとつひとつこだわって作ってるセバベの方が自分のヘルメットデザインには思い入れを持っていると思いますよ。
結局のところ、F1といえどもルールを決めるのはある程度上のポジションにいる人たちです。つまりある程度年齢のいった“オッサン”たちであって、さらに言えば何百億円とか稼いでいて世間ズレした生活をしている人たちなわけで、そういう人たちが自分たちの若かりし頃の感覚を思い出して「ファンの人たちが望むのはこういうことだろう」と安直に考えてしまうから、こうなってしまうんですよね。それが、ファンの声を聞く機会もないままファンの知らないところで最終決定まで行ってしまうから、余計におかしなことになる。
エンジンの音対策にしたって、ダブルポイントにしたってそうでしたが、最近特にファンが「ハァッ!?」と首をかしげるようなことが増えてきているのが気にかかります。それよりも、本当にファンのためを思うならもっと先にやるべきことはたくさんあると思うんですけどね……。
(text and photo by 米家 峰起)
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