【Rd.6 MCO】J・バトン完全無線レポート、燃えるレース魂とベテランらしさ
モナコGPで1戦限りの復帰を果たしたジェンソン・バトンは、ピットスタートという厳しい条件で思うようにレースができなかったが、それでも1周目にピットインをしてタイヤ交換義務を消化し、前がクリーンな状態で本来の速いペースで走って可能な限りポジションを上げようと果敢なトライをした。
同じく1周目にピットに飛び込みアンセーフリリースで前に出たザウバーのパスカル・ヴェアラインに抑え込まれてレース展開はさらに厳しいものとなってしまったが、それでもバトンはコクピットの中から目の前のヴェアラインではなくレース全体を見て諦めず戦い続けていた。
その様子を無線交信で振り返ってみよう。(本文4388文字)
レースのスタート前、インディアナポリスにいるフェルナンド・アロンソと電話回線を介して無線でメッセージの交換を行なった。
ALO「我が友、ジェンソン。僕の声が聞きたかっただろ? 僕はテレビで君のレースを見ているよ。昨日の予選の走りはアメイジングだったよ」
BUT「おぉ、ありがとう!」
ALO「僕のクルマ、気をつけて乗ってくれよ!(笑)」
BUT「OK、オシッコしてやるよ!(笑)」
ALO「やめてくれよ! 本当に素晴らしい走りをしている。レースを楽しんで!」
BUT「君も、良いレースを!」
午後2時を迎えてフォーメーションラップが始まり、30秒が経ってバトンのエンジンにも火が入りピットレーン出口へとピットガレージを後にしていった。
MCL「フォーメーションラップが始まった。30秒後にファイヤーアップする。ピットアウトする際には気をつけてくれ、グリッドからガレージに戻ってくるスタッフがたくさんいるからね」
レースエンジニアのマーク・テンプルは本来はアロンソ担当であり、バトンにとっては初めて組む相手だ。昨年までコンビを組んでいたトム・スタラードは今年からストフェル・バンドールンを担当しており、このモナコGPでも通常通りバンドールンとコンビを組んでいる。
フォーメーションラップが終わり、隊列がグリッドにつき、5つのレッドシグナルが消えてスタート。集団が全車コントロールラインを通過してから、ピット出口のシグナルがグリーンに灯りバトンのレースもスタートした。集団は混雑のためペースが遅く、バトンはあっという間に彼らに追い付いた。そして、当初の予定通り1周目の終わりにピットインをしてタイヤ交換義務を消化し、あとはクリーンエアで本来の速さを遺憾なく発揮して上位勢のピットストップによって順位を挽回するつもりだった。
BUT「フロントエンドが強すぎる感じがする」
MCL「了解。ザウバー(ヴェアライン)をオーバーテイクするためにピットインするぞ」
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