【F1LIFE AWARD 2016】DRIVER OF THE YEAR 2016
2016年シーズンの色んな意味でベストなドライバーを選出するのが【DRIVER OF THE YEAR 2016】です。
成績だけならもちろんチャンピオンとなったニコ・ロズベルグが選出されるべきですが、【F1LIFE AWARD 2016】では以下の5項目で採点し、その合計点で選出することとします。
【成績】2016年選手権の成績。単純なポイントの多寡ではなく、マシンやチーム状況に応じた出来映えを独断と偏見で加味して採点します。
【速さ】純粋な速さ。主に予選での一発の速さを選考基準とします。
【バトル】バトルの上手さ、決勝での速さ・強さを評価します。
【タイヤマネージメント】いかにタイヤを上手く保たせることが出来るかを評価します。
【人柄】人間としての善し悪しを評価。誠に勝手ながら、メディア対応の善し悪しが大きな要素になります(苦笑)。
ノミネートされたのは以上の5名で、採点結果はこの通りです。
2016年のニコ・ロズベルグは予選で速さを見せたものの、何度もトラブル見舞われたルイス・ハミルトンに12対9と負け越したため4.5点。バトルではマレーシアGPのキミ・ライコネンに対するオーバーテイクやメキシコGPやアブダビGPでのマックス・フェルスタッペンとのバトルなど、これまでとは少し違ってアグレッシブなところも見せました。オーストリアGPやドイツGP、マレーシアGPでは接触に対してペナルティを受けましたが、やや厳しすぎる裁定だったようにも思われました。人柄という点では、一個人としては友人にしたいくらい素晴らしい人柄ですが、メディアの取材対象としてはやや魅力に欠けるため(喜怒哀楽をさらけださない、喋る内容がツマラナイなど……)4点評価に。
ルイス・ハミルトンは予選が満点評価、タイヤマネージメントの面もメルセデスAMGはチームとして優れているだけでなくドライバーとしてもそれをきちんと履行したと言えます。人柄という点では、取材対象としては非常に取材し甲斐のある人物ですが、日本GPで“スナップチャット事件”を起こしたり囲みで途中退席するなど、奔放さと性格の良くないところも見せました。
その点、ダニエル・リカルドは人柄は満点。マックス・フェルスタッペンの印象の強さに隠れてしまった感はありますが、実は予選は11対6で大きく勝ち越し。ただしタイヤ面—ジメントに苦しみ、決勝では遅れを取ってしまいました。逆にフェルスタッペンはマレーシアGP以降は独自にマシンセットアップを進めてそこを上手く手懐けました。バトルのアグレッシブさには批判的な声もあり確かに危険な走行もあったものの、F1に興奮をもたらしたという点で満点。成績も序盤4戦にトロロッソをドライブしていたことを考えれば4.5点。少し強気すぎるところもありますが、基本的にはどんなことでも嫌がらず偉ぶったところもないので、人柄も高得点です。
フェルナンド・アロンソはマシンもひどかったですが、ややモチベーションに陰りが見えた部分もあり、投げやりになる場面も。入賞9回は見事ですが、開幕戦の大クラッシュに代表されるようにミスも目立ちました。人柄は決して悪くはないのですが、ベテランゆえに政治的すぎる部分も。
というわけで、F1LIFEが贈る【DRIVER OF THE YEAR 2016】はニコ・ロズベルグが選出されました。
ワーストドライバーには、エステバン・グティエレス。マシントラブルやレース展開など不運もあり可哀想な部分もありましたが、それでもハースのマシンをドライブしていながらノーポイントというのはドライバーとして良い仕事ができたとは言えません。
(text by 米家 峰起 / photographs by MercedesAMG)
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