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【金曜】イギリスGP金曜データ分析【2026 Rd.9 GBR】

 イギリスGPスプリント予選の各マシンのパフォーマンスやマシン特性を、データを元に様々な角度から詳細に分析していこう。

 

【勢力図】一貫して速さを見せたフェラーリ

【理論値】真の最速はアントネッリ?

【セクター】トップ4チームの実力が拮抗

【最高速】純粋な空力&パワー差が見える稀なケースに

【ミニセクター】コーナー最速はフェラーリとメルセデスAMGが分け合う

【アストンマーティン】課題は高速より中速コーナー?

【ロングラン】フェラーリが優位?

【タイヤ】予選はリアオーバーヒート管理、決勝は1ストップ作戦に

 

【勢力図】一貫して速さを見せたフェラーリ

・SQ1からSQ3まで一貫してタイムアップしており、トラックエボリューションは大きかった(そのため各車ともSQ3では最後までコースインせず)

・フェラーリは終始一貫してトップ

・アントネッリはSQ3で好アタックを決めて浮上

・トップ2台以外は僅差の接戦

・SQ2におけるレーシングブルズ以外の中団勢の差は大きい

・SQ1におけるオコン以下の差はかなり大きい

 

【理論値】真の最速はアントネッリ?

・2025年のFP2最速タイム1分25秒816(ランド・ノリス)の2.571秒差(102.996%)

・ストレートの速さが活かされて昨年対比のギャップは小さい

・ストレート後半のエネルギー切れはあるが、タイムに与える影響は各0.1秒ほどと小さい

・理論値ではアントネッリが0.056秒差でトップ。ポール獲得のチャンスがあった

・3位ルクレールから8位アジャまで6台が0.120秒にひしめく僅差

・1位メルセデスAMG、2位フェラーリは0.056秒差

・3位マクラーレンはトップから0.405秒差、4位レッドブルは0.013秒差、5位レーシングブルズは0.162秒差

・中団グループはレーシングブルズ以外はミディアムでの走行で比較は難しい

・6位アルピーヌと7位アウディは0,121秒差、8位ウイリアムズは0.715秒差、9位ハースは1.601秒差。

・キャデラックはSQ1でトップから2.503秒差、アストンマーティンはそこからさらに1.134秒の大差

※理論値=各ドライバーの自己ベストセクタータイムから算出される理論上可能な自己ベストタイム

 

【セクター】トップ4チームの実力が拮抗

・セクター1(中低速コーナー主体)でメルセデスAMGとフェラーリが僅差の最速

・セクター2(高速コーナー主体)もとメルセデスAMGとフェラーリが僅差の最速

・セクター3(ストレート主体)でではマクラーレンが優位

・メルセデスAMGとフェラーリの差はごく僅か

・レッドブルはどのセクターでも最速ではないが平均点は高い

・マクラーレンはセクター3最速ながら他のセクターではやや苦戦

・中団トップのレーシングブルズはセクター3で優位

・アルピーヌはセクター3で苦戦

・アウディはセクター2と3で速く、セクター1で苦戦

・ハースはセクター2で善戦しているもののセクター1と3でキャデラックに敗北

・アストンマーティンはすべてのセクターにおいて最遅

 

【最高速】純粋な空力&パワー差が見える稀なケースに

・ターン9のストレート区間での最高速を記録(トウの影響がない自己ベストラップ)

・マシンによって違う場所で最高速を記録しているケースもあり、エネルギーをどこでどう使うかによって最高速の場所は違ってくる

・途中までは昨年DRSがなかったターン8〜9の区間でSMを使って車速を伸ばし最高速を記録(各車とも308〜310km/h前後)

・ターン9手前でディプロイメントが切れるため、空力セットアップの差ではなく「どれだけエネルギーを使ったか」の差

・フェラーリPU勢はターン9手前で多くエネルギーを使って最速

・本来であれば最高速が出るターン15手前は、ディプロイメントを早々に低下させるため車速は伸びない

・SMオン時のドラッグとICEパワーが釣り合う車速でコンスタントスピード状態になる

・ここでエネルギーを無駄に使わないのが最も効率的なエネマネ(ストレート後半の車速はラップタイムに与える影響が少ない)

・だからこそ純粋なICEパワーとドラッグレベルが表われる

・レーシングブルズとマクラーレンが最速(ドラッグが低い)

・多くのマシンは300m/h前後

・メルセデスAMGはSQ2からSQ3で3km/hほどアップ(出力アップ)

・アストンマーティンもそれほど大きな差があるわけではない

・アロンソはターン6手前でエネルギーを使い、ターン14先のディプロイが早く切れるエネマネで走行(SQ1の1回目はストロール同様もエネマネで1km/h落ち

 

【ミニセクター】コーナー最速はフェラーリとメルセデスAMGが分け合う

・フェラーリはストレート区間で最速、高速コーナー(ターン9、ターン15)、中低速コーナー(ターン3、ターン7、ターン16〜17)で最速

・メルセデスAMGは低速ターン4、高速ターン13で最速(ストレートは最速ではないがそれに近い速さがある)

・レッドブルはストレート

・マクラーレンはストレートと高速コーナー(ターン11〜12)

・レーシングブルズはストレート

・ストレートの最速は、最高速分析で述べた通りエネマネで簡単に変わりうる

・フェラーリは様々なコーナー最速

・メルセデスAMGはターン9〜10最速(別手法のエネマネをトライ)

・アルピーヌもストレート最速

・アウディは高速コーナー最速、最終セクションも速さあり(リアタイヤに優しい)

・フェラーリPU勢、RBPT勢がストレート最速

・コーナー最速はメルセデスAMG、フェラーリ、マクラーレンが分け合う

 

【アストンマーティン】課題は高速より中速コーナー?

・SQ1トップのハミルトンから3.627秒差(104.074%)で、前戦オーストリアGPの予選(104.263%)とほぼ同等ながら僅かに差は縮まった

・中低速コーナー主体のセクター1の差が最も小さい(103.109%)

・高速コーナー主体のセクター2で最も苦戦(104.256%)

・最長ストレート(ターン14〜15)で最も大きなタイム差

・高速コーナーよりも中低速コーナーでそれぞれ大差

・高速コーナーでの差は大きくない(通過時間が短いため差は付きにくい)

・ラップ全体ではストレート(2.025秒差)とコーナー(1.659秒差)で、ストレートのロスが大きくなっているのは直線重視のフェラーリとの比較であるため?

 

【ロングラン】フェラーリが優位?

・FP1では各チームがハードタイヤでロングラン

・まだトラックエボリューションが進んでいる段階とはいえデグラデーションは小さく安定

・リアタイヤのオーバーヒート管理

・左フロントの磨耗管理

・ただし今年は高速コーナー車速が下がっているため、タイヤへの負荷は小さくなる方向だと思われる

・ペース的にはフェラーリ最速、メルセデスAMGが次点

・レッドブルはアルピーヌと同等かやや遅い、中団勢は僅差

 ※ランプランの違いで燃料搭載量の違いはある

 

【タイヤ】予選はリアオーバーヒート管理、決勝は1ストップ作戦に

  • コンパウンド

・C3(ソフト)〜C2(ミディアム)は0.4〜0.5秒差

・C2(ミディアム)〜C1(ハード)は0.6〜0.7秒差

・路面温度40度のイギリスらしくない気候だが性能は想定通り

・路面のグリップレベルは昨年対比で5%ほど向上(路面ラフネスが粗くなっている)

 

  • デグラデーション

・C1(ハード)のデグラデーションはほぼなし

・ショートランではリアタイヤのオーバーヒート管理が重要(1周保たない)

・クールダウンラップを挟むことでグリップは戻る

 

  • 決勝戦略

・基本は1ストップ作戦(デグラデーションが小さいため)

・計算上は2ストップ作戦では7〜9秒遅くなる

・スプリントレースでは上位勢はミディアムの可能性大

・中団勢はFP1でスプリント予選準備のためミディアムを使っており、スプリントではソフトをトライする可能性も?(ウォームアップ性は良好)

 

(text by 米家峰起 / photo Pirelli)

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