【戦略予想】2ストップか3ストップか? ハードタイヤの不確実性が鍵を握る?【2026 Rd.7 CAT】
バルセロナ・カタルーニャGPの決勝は基本的に2ストップ作戦になる。
どのコンパウンドもデグラデーションは大きく、C3(ミディアム)とC2(ハード)を中心とした2ストップ作戦。場合によっては最終スティントなどにC4(ソフト)絡めた戦略や、3ストップ作戦も有り得る。
ピットロスタイムは22.5秒ほどで、デグラデーションが大きいため計算上はC4(ソフト)を使った3ストップ作戦の方が速い。しかしオーバーテイクが容易でないサーキットであるため、トラフィックに引っ掛かることを考慮すると2ストップ作戦の方が速い可能性が高い。
各ドライバーともC2(ハード)2セットとC3(ミディアム)1セットを温存しており、C2(ハード)を中心に据えていることが分かるが、ほとんどロングランデータがなくぶっつけ本番となるため、不確実性は高い。
ピレリの新モータースポーツディレクター、ダリオ・マラフシキは以下のように説明している。
【決勝の作戦予想】
計算上の最速はC3(ミディアム)〜C2(ハード)〜C2(ハード)。
もう1つの有力案はC3(ミディアム)〜C2(ハード)〜C4(ソフト)。
3ストップも選択肢としては存在し、計算上は2ストップと同等あるいは僅かに速い。しかしトラフィックのリスクがあり、モンテカルロシミュレーション(各車の行動など不確実性・ランダム性を網羅したシミュレーション)では7〜8秒遅くなる。オーバーテイクするためにプッシュすればタイヤがオーバーヒートしてデグラデーションが進むリスクがある。
デグラデーションが大きいためアンダーカットは強力に機能し、早めにレースが動く可能性が高い。その一方で、第3スティントにタイヤデルタ(性能差)を生み出してコース上で逆転することを想定した第2スティントの戦い方も重要になる。
C2(ハード)は不確実性があり、デグラデーションが予想以上に大きければ戦略の幅はかなり広くなる。
C2/C3/C4を選んだのは2ストップ作戦促進のため。
【タイヤマネージメント】
決勝ではリアタイヤのマネージメントが重要。
C2(ハード)でもC3(ミディアム)でもリアは厳しく、特に暑いコンディションではオーバーヒートを抑えながらペースを保つ必要がある。C2(ハード)は寿命こそ長いが、デグラデーションが小さいわけではないため、単純に長く引っ張れば良いという状況ではない。
C2(ハード)はロングランデータがほとんどないため不確実性が高く、FP2のマックス・フェルスタッペンの走行では約0.2秒/周で、リアタイヤのマネージメントは必要になる。
予選重視で高速コーナー(ターン3、9、13、14)でのフロント重視のセットアップの場合は、決勝ではリアのオーバーヒートに苦しむ可能性。
決勝重視でリアを守る方向性のセットアップにした場合は、ロングランに優位性がある可能性。
土曜から前後とも最低内圧を1PSIずつ下げたのは、暑いコンディションで走行開始後の温度と内圧の上昇が想定より大きかったため。予選では安定内圧に上がりきる前のアタックとなり、接地面積が増えてパフォーマンスが向上。決勝でもコンシステンシーが向上する見込み。
(text by 小野 智也, 米家 峰起 / photo by Pirelli)

この記事へのコメントはありません。