1. HOME
  2. RACE【レース】
  3. 2026
  4. レッドブルRB22解説、極小サイドポッドは究極のロードラッグコンセプト?【新車解説】【プレミアム限定】
2026

レッドブルRB22解説、極小サイドポッドは究極のロードラッグコンセプト?【新車解説】【プレミアム限定】

2026年新車解説

 2026年1月26日、レッドブルが2026年型マシンRB22を公開した。限定的なアングルではあるものの、バルセロナ合同テストを前に実車の写真を公開している。その詳細を解説しておこう。

 

【ノーズ&フロントウイング】

 ①ノーズはやや太めのフォルムで、先端のFordロゴ位置にはコスメティックパネルが設定されており、これが冷却風の取り入れのためのものなのか、それとも何らかの空力デバイスを想定しているのかは未知数だ。

 ②フロントウイングはメインエレメントがかなり直線的なフォルムで、スプーン形状はほぼなし。パワーユニットがライバルに比べて非力である可能性が高いだけでなく、従来に比べてローダウンフォース&ロードラッグとなる2026年規定ではこれまで以上に直線重視でドラッグ削減かつ空力効率の追求に主眼を置いている可能性もありそうだ。2022年規定ではその方向性でライバルをリードしたレッドブルだけに、2026年規定ではさらにそのコンセプトを突き詰めていても不思議ではない。

 翼端板にもこれといった空力付加物は見られず、非常にシンプルな構成となっている。

 

【フロントサスペンション】

 フロントサスペンションはプッシュロッド式を採用。レッドブルとしては2021年以来となる。

 VCARB03の実車と同じように、アッパーウィッシュボーンは前後ともに非常に高い位置にマウントされており、ライバル車や昨年型RB21までのような後傾角はほとんど付けていない。

 それだけフロントタイヤ内側の気流を阻害しないよう大きなスペースを確保しようとしているものと思われる。

 ロワのウィッシュボーンとトラックロッドの詳細は確認することができないが、昨年型RB21やマクラーレンに比べてトラックロッドは高い位置にマウントし、ロワアームとの間に段差を付けているように見える。

 

【サイドポッド】

 ③サイドポッドは横幅が極端にコンパクト化され、SIS(サイドインパクトストラクチャー)がサイドポッド前端から突き出している(それを覆うバルジをウイング状にして整流フィンとして利用している)。

 ④サイドポッド開口部の下側はアンダーカットされているが昨年型RB21ほど過激ではなく、フロアエッジとの距離を見てもサイドポッド下の気流はマシン外側へと向けて逃がそうとしているように見える。

 ⑤その反面、サイドポッド上面のデッキは真っ直ぐに落とし込み、サイドポッド後方は極端にコンパクトに絞り込んで、リアエンドに向かうコークボトル部が存在しないほどだ。これはゼロポッドと呼ばれた2022年型メルセデスAMG W13や、それ以前の規定下の2021年型RB16Bのような手法だ。それだけサイドポッド上面・側面からリアエンドのリアタイヤ内側に多くの気流を取り込みたいという狙いだろう。

 そのためにサイドポッドの前端・後方を可能な限りコンパクトに収めるというのがRB22のコンセプトであり、サイドポッド下の気流をリアエンドに流し込もうというメルセデスAMGやフェラーリとは異なるこの手法は、2026年規定での空力的ピーキーさを回避するためのレッドブルの回答なのだと思われる。

 なおかつ、ここにも前述の「ロードラッグ」の方向性が貫かれているように見える。

 

【エンジンカバー】

 サイドポッドをコンパクトにするために、マシン上部は大柄になっている。

 ⑥HALOの付け根後方は2024年型RB20の前半戦仕様で採用していたキヤノン型のフォルムとなっており、HALO内側の気流をここに導き、エンジンカバーに沿ってリアエンドへ流し込む。HALOの付け根後方には排熱アウトレットがあり、⑦なおかつ側面にもコスメティックパネルがあり追加の排熱アウトレットを設定することができそうだ。このあたりもRB20で採用した手法だ。

 ⑧その後方の『Red Bull』文字ロゴの周辺もパネルになっていて、酷暑のコンディションではここも排熱ルーバーを設定してエンジンカバーに沿って熱風を逃がすことになりそうだ。サイドポッドを極めてコンパクトにするだけでなく空力的損失を最小限に抑えるために、サイドポッド周辺には排熱口が存在しない。そのためこうしてHALO後方からリアエンドにかけてのエンジンカバー周辺に排熱口を配置するかたちになっている。

 ⑨ロールフープのエアインレットもかなり大柄で、中央のエンジン吸気だけでなく左右のラジエター冷却風も大きく開口面積を確保。ロールフープ後方のエンジンカバーも大柄で、後方の落とし込みも強くない。冷却系はサイドポッドよりもこちらに多く配置しているはずだ。

 完全に「サイドポッド&フロアの気流」に振り切った空力設計であり、おそらくは内部のパワーユニットやその補器類も含めてデザインされており、ワークスならではの攻めたマシンパッケージ設計だ。

 ⑩サイドポッド前方のフロアボードは横板3枚構成だが、前方も後方も切り欠きが加えられていて複雑な造形を見せている。モノコックからのステーもフェラーリ同様に強い傾斜が付けられていて、フロントサスペンションと連動した整流効果を狙っている。

 

【リアサスペンション】

 ⑪リアサスペンションはプッシュロッド式で、これは2026年のトレンドとも言える手法だ。

 アッパーウィッシュボーンは前側を低くマウントして前傾させ、プッシュロッドはアッパーウィッシュボーンの前方に飛び出してマウントしている。ロワのウィッシュボーン前側はライバルに比べて前方まで張り出させ、フロアの跳ね上げ部分と連動した整流効果もさることながら、リアサスペンション内側にできるだけ大きな空間を確保しようという狙いも見える。サイドポッドのコンパクト化と相まった配置だ。

 

【リアウイング】

 ⑬リアウイングはシンプルな形状だが、フラップ中央部に切り欠きを加えているのは2026年規定では珍しい。ここにもやはり少しでもドラッグ低減を突き詰めたいという狙いが感じられる。

 パワーでナンバーワンでなかったとしてもストレートで大きく稼ぎ、コーナーでは最速でなかったとしても空力効率の良さでまずまずの競争力を確保する。2022年規定で成功を収めたコンセプトを、2026年規定でも再び再現しようとしているように見える。

(text by 米家 峰起 / photo by Red Bull)

 

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。