
【金曜】メルセデスAMG最速、しかし5チームが0.381秒の僅差【理論値】
カナダGP初日の各マシンのパフォーマンスやマシン特性を、データを元に詳細に分析していこう。
FP2における各ドライバーの自己ベストタイムに加えて、セクタータイムの自己ベストを並べ、それらを足して理論上可能な実力(IDEAL LAP TIME=理論値)を集計すると以下のようになる。
昨年はウエットコンディションからのスタートだったため、FP2のタイムは1分15秒810と控え目だが、予選が1分11秒742だったことを踏まえればFP2のトップタイム1分12秒123は実質的にすでに昨年のペースを大きく上回っていると言えるだろう。このジョージ・ラッセルのトップタイムはミディアム(C5)で記録したものであり、昨年と同じタイヤであるため、純粋にマシンがそれだけ速くなっていると言える。
上位では実測のトップ3だけが理論値と同じで、つまりほぼ完璧なアタックラップをまとめているが、理論値ではアレクサンダー・アルボンが3位アンドレア・キミ・アントネッリを上回っている。
ラッセルはミディアムタイヤで1アタックしか行なっていないため、まだ伸びしろがあった可能性もある。アルボンも最初にソフトを投入したためミディアムでのタイムだが、こちらは12周目(計測3回目)でのタイム。メルセデスAMGとウイリアムズはそれぞれ1台ずつ予選シミュレーションをミディアム担当にしており、予選に向けてミディアムのパフォーマンス確認を行なっている。
各集団が僅差、Q1とQ3の差は紙一重に
理論値でもメルセデスAMGが最速だが、2位マクラーレンも0.028秒の僅差。
3位ウイリアムズは0.241秒差、4位アストンマーティンは0.307秒差、5位レッドブルは0.381秒差と3チームが0.140秒にひしめく第2集団。
6位フェラーリはトップから0.500秒差、7位レーシングブルズは0.557秒差、8位アルピーヌは0.623秒差で0.123秒差にひしめく第3集団。
9位ザウバーは0.748秒差、最下位ハースは0.870秒差とやや後れを取っているものの、全体が0.870秒に収まっているくらい差は小さい。
予選でもQ1敗退とQ3進出の差はかなりの紙一重になりそうだ。
(text by 米家 峰起 / photo by Pirelli)
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