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【決勝】RBストレート速度不足に苦戦。ホンダPUは今年もディプロイメントの優位性を維持【2024 Rd.2 SAU】

 レッドブルとRBにパワーユニットを供給するホンダ(HRC)は、今季型RBPTH002でもディプロイメント面のアドバンテージを保持しているようだが、RBの角田裕毅は周冠宇やケビン・マグヌッセンを抜くことに苦労し、逆にマグヌッセン、エステバン・オコン、アレクサンダー・アルボンと次々と抜かれてしまった。

 これはパワーユニットの性能差ではなくマシンのストレートスピード不足によるもので、リアウイングの薄さによるDRS効果の弱さ、そしてローダウンフォースであるがゆえにハードタイヤに熱を入れられずグリップ不足に陥ったことで立ち上がり加速が鈍かったことに原因がありそうだ。

 予選では角田裕毅が素晴らしいドライビングで8位でQ2を通過、Q3では9位という結果を手にしたが、決勝では中団グループの中でズルズルとポジションを落としていったようにレースペースは下位に低迷した。VCARB 01の実力は予選ではなくむしろこの決勝ペースの方ではないかと、ホンダの現場オペレーションを統括する折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは語る。

ーーRBはまたしても入賞争いをしながらポイント獲得を逃してしまいました。

「スタートは悪くなかったんですけど、セーフティカーでピットインしてハードタイヤに換えた後にペースが上がらず、ストレート速度も伸びずに前につっかえてどんどん抜かれていくというかたちになってしまいました。その第2スティントのペースが良くなかったことが最大の要因かなと思います」

ーーケビン・マグヌッセンとハースの戦略についてはどのように感じましたか?

「もどかしい気持ちではありました。20秒加算ペナルティを持っている状態であそこまでブロックされてというのは、ルール上は許されているとは言え……という感じではありますが、マグヌッセンだからしょうがないですかね(苦笑)」

ーーストレートが伸びないのはなぜだったのでしょうか?

「セッティングの方向性のせいなのかクルマの特性のせいなのかは私もまだ分かりかねているんですが、いずれにしてもストレートスピードが伸びづらいというところがあったのは確かで、バーレーンでも結局抜けないまま苦労したということがありましたからね」

ーーオーバーテイクをするためにエネルギーマネージメントの面で何か工夫は?

「もちろん工夫はしていて、バッテリーを貯めて一気に放出してオーバーテイクをトライするということはやっていたんですけど、それでも抜けなかったですね……。ペースが遅いので、走っていると自然とバッテリーが溜まっていくという状況ではあったんですけど、そこは相手も分かっているので同じように上手く対処していたんだと思います」

ーーアルピーヌやウイリアムズにも抜かれてしまいました。

「まぁエンジンだけで抜ける・抜けないというのは決まりませんし、データを見る限りでは、抜かれたからパワーが無いというわけではないという感じですね。こちらのディプロイメントが切れたところを狙われたわけでもなかったですし」

ーー予選よりももっとレースペースに比重を置くべきだったでしょうか?

「そこはチームのセッティングなので何とも言えないところですけど、どちらかというと予選は(角田)裕毅が頑張ってすごく良いところに行ったというだけで、実際のところはレースペース(の競争力)というのが実際の実力なのかもしれないなとは思いました。予選は素晴らしいアタックでしたし、特にもう1台(ダニエル・リカルド)に対してセクター1でタイムを稼いできていたので、その辺りでドライバーがすごく頑張った結果があの(Q2で8位)という結果だったのかなと思いました」

ーーパワーユニットの運用温度を高くできるというメリットは開幕戦よりも今回の方が大きく効果を発揮したでしょうか?

「そうですね、バーレーンよりも暑い環境の中でのレースだったので、より厳しい側の環境でした。ただ本当に暑いところに比べればまだマージンはありましたし、今年引き上げたマージンを使い切るというほどではありませんでした。それでも安心して空力的に攻めた仕様で走ることはできました」

ーーホンダのパワーユニットは従来からディプロイメントの面でアドバンテージを持っていましたが、全開率が高くエネルギーマネージメントが厳しいジェッダで改めてどのようにご覧になりましたか?

「今回のデータはまだ詳しく分析できていないんですが、1戦しかやっていないとはいえバーレーンGPのデータを見る限りではその優位性はまだ残っているかなと思っています」

ーー前回のバーレーンGPの後、チーム内でしっかりと話し合ってドライバースワップなどの問題は解決したということですが、ホンダのスタッフもそこに加わったのでしょうか?

「それはチームの中の話なので、我々はそこには加わっていないですね。デブリーフィングでもそういう会話はしていましたが、その後に別にミーティングをやったのか、チームが言っている話し合いというのがどれを指すのか私は把握していません。少なくとも今週は普通にいつも通りの雰囲気でしたし、(決勝前の)ストラテジーを決めるミーティングもいつも通りでした」

(text by 米家 峰起 / photo by Red Bull, RB)

 

 

 

 

 

 

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