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【新車解説】ハースVF-24、発展途上の未完成マシン

2024

 

 2月2日、ハースは2024年型マシンVF-24のレンダリング画像を発表した。実車は2月11日にシルバーストンでシェイクダウンを行なった後にバーレーンに輸送される。今回はカラーリング発表が主ではあるが、レンダリング画像からはVF-24のコンセプトが明確に窺えるため、ディテールを解説していこう。

 

動き出した小松チーム改革

新技術体制は2026年に向けて始動

 

 ハースは小松礼雄のチーム代表就任に合わせて、テクニカルディレクターのシモーネ・レスタが離脱。代わってチーフデザイナーのアンドレア・デ・ゾルド(写真)が昇格して後任となった。2000年代からミナルディ、マクラーレン、フェラーリと渡り歩いたエアロダイナミシストで、2021年にフェラーリからハースに加わった人物だ。チーフデザイナーの後任も内部昇格となる見込みだという。

 

 また、イギリス(メカニカル部門)とイタリア(空力部門)の連携を密にして開発方向性を明確に打ち出すためにパフォーマンスディレクターを新設し、ビークルパフォーマンス責任者だったダミアン・ブレイショーを昇格させた。

 

 小松新代表によるこうした技術組織改革はすでに進んでいるが、当然ながらVF-24には新体制の効果は反映されていない。シモーネ・レスタ前テクニカルディレクターの下で開発されたVF-24は、フェラーリ型からレッドブル型へのコンセプト変更がシーズン後半にずれ込んでしまったことと、そこからUSGPへの先行投入のためにVF-24の開発リソースを2カ月にわたって割かなければならなかったことで、周囲のライバルに比べて開発期間も短ければマンパワーも風洞時間も少ないという制約の中で開発せざるを得なくなってしまった。

 

 そのため、昨年型VF-23が抱えたタイヤマネージメントやブレーキング時挙動の問題は改善できているはずだとはいえ、開幕時点での競争力は決して高くないだろうと見られている。問題は、そこから新体制の下でどこまで迅速にマシン改良を進めていけるかだ。そして、新規定の2026年に向けて2026年型マシン開発をきちんとしたチーム体制で行なうために、これが最後の改革チャンスだとも言える。

 

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