RACE【レース】

 

 第21戦アブダビGPの全レースラップタイムをグラフ化し各車の速さと戦略を分析する。決勝分析の第2弾では上位争いよりも激しくエキサイティングだった中団グループの実力を見ていこう。

 

 

Q3進出ソフトスタートの不利に対処したマクラーレン

戦略ミスを連発しノーポイントに終わったルノー

 

 

 第1スティントのペースは各チームがほぼ横一線になっているが、これは中団グループ最上位のマクラーレンとルノーがソフトタイヤをいたわるべくかなり抑えて走ったため。なるべくタイヤの性能低下を抑えて長く保たせ、第2スティントのハードタイヤで最後まで走り切って1ストップ作戦とすることで、Q2敗退組のミディアムもしくはハードスタートのアドバンテージを削って彼らに対抗するしかなかった。その中でもハースやウイリアムズはこれに付いていくことができていない。

 

 ランド・ノリスはフラットスポットを作ってしまったため8周目で予定よりも早くピットインを余儀なくされた。これに対しダニエル・リカルドは11周目にピットインして前のカルロス・サインツに対してアンダーカットを仕掛け成功。しかしノリスの前に出ることはできず、サインツにもコース上で抜かれることとなった。

 

 その一方でニコ・ヒュルケンベルグは第1スティントを19周目まで引っ張ってサインツとリカルドをオーバーカットすることに成功し、4台の争いはノリス、ヒュルケンベルグ、サインツ、リカルドの順になった。

 

 各車とも1ストップ作戦で走り切ろうと目論んだものの、タイヤの保ちはギリギリ。ハードタイヤのペースも速くはなかった。そこでマクラーレンは2台で戦略を分け、前を行くノリスはトラックポジション重視でステイアウト。後ろのサインツはこのまま行けばノリス、ペレス、クビアト、ヒュルケンベルグの後ろの11位で終わってしまうため41周目にピットインさせ、フレッシュなミディアムタイヤで逆転を狙う戦略に出た。これが功を奏して10位滑り込みダブル入賞。ノリスは最終ラップにペレスに先行を許したとは言え、Q3進出によるソフトタイヤスタートという大きな不利を抱えながらもチームとして非常に上手い戦略運営を見せた。

 

 逆にルノーはリカルドの1回目のピットストップでアンダーカットに成功しながらも抜かれ、2回目のピットストップでアンダーカットを仕掛けるでもなくサインツの翌周にピットインしてみすみすポジションを譲ってしまった。ヒュルケンベルグは最も第2スティントが短く好条件だったが40周目を過ぎたあたりからデグラデーションが進んでしまい、後続を抑えきれなかった。であれば、リカルドがステイアウトしてサインツの前でブロックする戦略を採れば、ヒュルケンベルグが入賞圏内に留まることも可能だったかもしれない。ルノーとすればそこにポイント獲得の可能性があったが、戦略面では完全にマクラーレンに負けたといわざるを得ない。

 

 

中団トップを勝ち獲ったレーシングポイント

9位入賞ももっと伸びしろがあったトロロッソ

 

 Q3に進出しなかったレーシングポイントとトロロッソは10周程度でタレてしまうソフトタイヤを使う必要がなく、戦略面で有利だった。ハードタイヤを得意としないレーシングポイントは2台ともミディアムでスタートし、これを読んでいたトロロッソはピエール・ガスリーはミディアム、ダニール・クビアトはハードでスタートと2台で戦略を分けた。

 

 この中団第2グループはセルジオ・ペレスがリードし、スタート直後のターン1で接触しマシンにダメージを負ったガスリーとランス・ストロールは後退。クビアトはキミ・ライコネンに抑え込まれて本来のペースを発揮できず、ライコネンのペースが低下してオーバーテイクに成功した20周目までにペレスとの差は12秒に広がってしまった。

 

 ここからミディアムのペレスのペースが下がっていったのに対し、ハードのクビアトは好ペースを維持してペレスとの差を縮めていき、アンダーカット射程圏に入ったところでペレスがアンダーカットを恐れて37周目に先にピットイン。中団第1グループのノリスからリカルドまでがいたいため引っ張ったものの、結局彼らとのギャップは広げられず、彼らの後ろでコースに戻ることになってしまった。

 

 これに対してクビアトはさらに引っ張って40周目までステイアウト。ペレスが中団第1グループに引っかかっている間にオーバーカットを狙ったが、最初にピットインの指示が出た39周目には指示が遅すぎてピットに飛び込むことができず、1周をロスしてしまっている。これがなければペレスの前で戻ることができたかどうかは分からないが、最後にペレスとともに対ノリスの7位争いに加わることができた可能性はある。

 

 その後にヒュルケンベルグを抜く際にフロントウイングを痛めて最後にペースが低下したこともあったが、第1スティントのライコネンに抑えられたロス、ピットストップが1周遅れたロスも響いてしまった。トロロッソはタイヤマネージメントを向上させて好レースを展開したが、ガスリーが普通にレースをしていればレーシングポイントと同じく7位争いをしていたはずで、クビアトの戦略改善と合わせてダブル入賞の可能性が高かった。そう考えるとまだまだ伸びしろがあったと言えそうだ。

 

 

(text by 米家 峰起 / photo by McLaren, Racing Point, Toro Rosso, Pirelli)

 

 

 

 

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Comment

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  • コメント (2)
    • w0fu1sg6
    • 2019年 12月 08日

    このタイトルで、
    トップショットがパパイヤとかないでしょ?
    流れないよね・・・

      • w0fu1sg6
      • 2019年 12月 08日

      あ、クリックする前のショットと、
      クリックしたあとのトップショットが違いますね。。。
      よくないですよねえ

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