
【金曜】マクラーレンとアストンが2強、上位勢は大差が開く【理論値】
オランダGP初日の各マシンのパフォーマンスやマシン特性を、データを元に詳細に分析していこう。
FP2における各ドライバーの自己ベストタイムに加えて、セクタータイムの自己ベストを並べ、それらを足して理論上可能な実力(IDEAL LAP TIME=理論値)を集計すると以下のようになる。
最速タイム1分9秒890を記録したランド・ノリスは、昨年のFP2のトップタイム1分10秒702を0.812秒上回った。ただし今年はソフトタイヤがC3からC4へと1ステップ柔らかくなっている。
ノリスは理論値でも実測値と同じタイムとなっており、20人中9人、特に上位勢では10人中6人が理論値と実測値が同じ。これはアレクサンダー・アルボンの赤旗のせいで1回しかアタックできなかったドライバーが多数おり、トラックエボリューションが進む中で理想的なアタックができていないこと、つまり各車の実力がフルに発揮されていないためだ。例えばカルロス・サインツはアタック2周目にセクター1で最速タイムを更新したところで赤旗によってアボートを余儀なくされている。
アストンがマクラーレンと僅差、トップ3チームはそれぞれ0.2秒の大差
実測値だけでなく理論値でもマクラーレンが最速だが、2番手に飛び込んだアストンマーティンも0.079秒差と僅差。
3番手メルセデスAMGは0.384秒と差を付けられ、4番手レッドブルはそこからさらに0.2秒遅れの0.588秒差。そして5番手フェラーリはさらに0.2秒遅れの0.779秒差と、トップチームのギャップが非常に大きくなっている。
6番手はアルピーヌでトップから1.067秒差、そこから7番手ザウバーは0.055秒差、8番手ハースは0.106秒差、9番手ウイリアムズは0.290秒差と離され、最下位は0.382秒差のレーシングブルズとなっている。
1周が短いサーキットだが、実質コーナー数が10と多く(平均425.9mごとにコーナーがある計算)、チームごとの差が付きやすいことが分かる。
(text by 米家 峰起 / photo by Pirelli)
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