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【2022 Rd.20 MEX】アルファタウリ J・エドルス「ブレーキトラブルは原因究明できている」

【2022 Rd.20 MEX】アルファタウリ J・エドルス「ブレーキトラブルは原因究明できている」

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ーー予選に向けて2台でセットアップを変えたということですが、どのような違いがあったのでしょうか?

「それほど大きな違いではないんだけど、ピエール(・ガスリー)の方が苦しんでいたからデータを見ておかしい部分のパーツを交換したんだ。まだ苦しんでいて問題は完全には解決できていない。おかしいことを示すデータもあれば、そうでないデータもあって、まだ把握し切れていないんだ。ピエールは良いアタックをしてくれたが、それでも2台の差は我々の想定以上だ」

 

ーー今回はこのサーキット用にリアエンドの開口が大きな冷却パッケージを投入していますね。

「22%空気が薄いから冷却面に関してはかなり大幅な増大が必要だが、それは上手くいったと言えるね。フロントブレーキの冷却用と、エンジンの特に冷却水、そしてギアボックスの冷却だ。それによって少し空力性能を失うことになるが、どんなヘビーなトラフィックの中でもリフトオフして温度に配慮する必要がなく、最後まで全開でレースができる冷却パッケージとしてリーズナブルなものだと思うよ」

 

ーー過去にホンダのパワーユニットは高地でアドバンテージを持っていましたが、今年もそれは健在でしょうか?

「ライバルに較べてアドバンテージになっているかどうかは分からないけど、高地に来ることによるパワーのロスが少しあるのは確かだが、ターボやMGU-Hの貢献によって平地に較べてのパワーロスは最小限に抑えられていると思うし非常に印象的だよ」

 

ーー鈴鹿とオースティンで発生したブレーキの問題については?

「原因はしっかりと理解できているよ。今年になってマシンの重量が重くなりブレーキへの負荷は増しているから、今年はそれに見合ったブレーキシステムを導入しているんだ。だから鈴鹿やウエットコンディションのモントリオールなどブレーキへの負荷が小さいサーキットではあのような問題が出てしまった。しかし何が原因でどんな問題が起きたのかは明確に把握できている。昨日もそういう兆候が起きていて100%完璧なアタックとはいかなかったが、ブレーキが新品の時は問題なくてもその後のランではフロントブレーキの左右で温度差が出てしまう。それがCOTAでもここでもロックアップの問題を引き起こしていたが、ここはブレーキへの負荷が高いサーキットだから決勝では問題にはならないはずだ。次のレースに向けて対策を施す予定だし来年型マシンではさらに対策を講じる予定だよ」

 

 

ーー中団グループでマシンとしては7番目、8番目に沈んでしまっています。

「我々はシーズン序盤に大きくマシン開発を進め、頻繁にアップデートを投入していったが、最後の大きなアップデートはフランスGPだ。例えばアルファロメオは残り数戦のこのタイミングでもフロアなど大きなアップデートを投入して今回も効果を発揮しているように、シーズンを通して開発を続ける決定を下したライバルもいるが、我々はコストキャップ規定など様々な要素を考えて来年のマシン開発に専念することを決めたんだ。だからシーズン後半戦のアップデートはライバルたちよりも少ない。それがこの苦しい状況に繋がっている。だが、アルファロメオはそのアップデートが今年のこのポジション確保に役立つかもしれないが、たった数戦のためだけに開発をするのと、来年全体に使える開発をするのとではどちらが良いか、問題はそのバランスだ。もちろん今アップデートを投入できるなら我々もそうしたいが、我々はチームとして来年型マシンの開発に集中するという決断を下したんだ。おそらく彼らは夏頃に開発継続を決めてその後もしばらく風洞で今年型マシンを走らせていたのだろう。それが今ようやくパフォーマンスに繋がっている。しかし我々はその段階から来年のマシン開発に専念してきているんだ。来年型マシンの製造もすでに始まっているからね」

 

ーー昨年はランキング5位争いをしていたにも関わらず今はランキング9位という現状は、不運とチーム力とどちらの影響が大きいでしょうか?

「不運もたくさんあったが、今の状況が全て不運によるものだとは思っていない。確かに序盤戦はトラブルやピットストップ直後にセーフティカーが入るといった不運もあったが、モナコやバクーなどマシンパフォーマンスが非常に高かったレースもいくつかあったもののそれを最大限に結果に繋げることができていないのも事実だ。だから不運だけでこうなったというのはフェアではないし、去年よりも少し不運が多いのは確かだと思うが、今年は中団グループが非常にタイトな争いであるだけにほんの僅かなミスや最適化ができないことが大きく結果に影響してしまうんだ。モナコだってパフォーマンスは非常に高かったにもかかわらず、僅か数秒足りずにアタックに間に合わなかった。そのようにチームとしてしっかりと分析して理解し改善しなければならない点は多々あると言える」

 

ーー来年のアルファタウリはレッドブルからより多くのパーツが供給されると言われていますが?

「来年型マシンのかなりの部分は今年型からのキャリーオーバーになり、多くのパーツがそのまま使用できる。それは他のチームも同じだろう。しかし来年は自分達で作るパーツの割合はもう少し増えることになる。なぜなら、レッドブルは製造力が非常に優れていてマシン開発のリードタイムが短いから、(新車完成の)ギリギリまで最終デザイン決定を遅らせることができるからだ。それは素晴らしいことだが、我々は今の段階から空力パッケージの開発を進めていかなければならない。そしてレッドブルのパーツを使用するつもりでいると、後になってデザインが決まってそのジオメトリーが違っていれば空力パッケージに影響を及ぼすことになりかねない。だから現在と同じサスペンション、ギアボックスなどのパーツはレッドブルからの供給を受けるが、それ以上は難しいんだ」

 

ーー来季型はその辺りにも変化が?

「ギアボックスはレッドブルから購入しているが、リアサスペンションのジオメトリーやインターナルに手を加えて自分達のマシンに最適化することは許されている。今年は全く新しいレギュレーションで未知数の部分も多かったから、かなり自由度を保たせた設計にしていたんだ。しかし1年間走らせてきたことで最適な作動ウインドウは分かっているから、来年型はもっと突き詰めた設計にでき重量も削減できるだろうね」

 

 

(text by 米家 峰起 / photo by AlphaTauri)

 

 

 

 

 

 

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