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REGULAR【連載】
【F1ギョーカイ用語】「SCRUBBED」(すくらぶど)

【F1ギョーカイ用語】「SCRUBBED」(すくらぶど)

 20170221-01

 

「SCRUBBED」(すくらぶど)

 

 スクラブというのは洗顔料などにもあるように、「ゴシゴシ洗う」とか「磨く」という意味の英単語ですが、F1ギョーカイ用語では違う意味で使われています。

 

 「スクラブド」というのは「スクラブしたタイヤ」のことです。表面を磨いたタイヤ、つまりいわゆる「皮むきタイヤ」のことなんですね。

 

 新品タイヤの表面には、型から剥がすための離型剤が残っていてツルツル滑るという考え方があって、そのために最初に1周だけゆっくり転がして皮むきをしておくということがあります。ただ普通のゴムは一度熱が入ると化学組成が変化して、もう一度冷えたときに硬くなってしまいます。ですから基本的にF1では皮むきという作業はやりません。下位カテゴリーなどでは耳にしますが、これは長く走っても全然タレないようなウォームアップの悪いタイヤを、最初に一度温めておくというようなケースが多いんです。

 

 F1の場合、皮むきをするのはウエットタイヤやインターミディエイトくらいのものです。

 

 では「スクラブドタイヤ」と呼ばれるタイヤがほとんどないのかというとそうではなくて、いわゆる意図的に皮むきをしたタイヤだけではなくて、数周しか走っていない「ほぼ新品のタイヤ」のことを「スクラブドタイヤ」と呼ぶこともあるのです。例えばインストレーションラップでしか使っていないとか、予選アタックに入ろうとして3周走行を完了できなかったタイヤとか。

 

 こういったタイヤを「スクラブド」と呼んで、他の完全新品タイヤや使い古したタイヤと区別しているというわけです。

 

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(text by 米家 峰起 / photo by Pirelli)

 

 

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